原潜キーウエスト、修理疑惑を残して佐世保出港


修理作業中の原潜キーウエスト。マストには足場が架設され、船尾には赤旗を立てた工作台船が接舷している(4月4日撮影)

3月31日に入港した原潜キーウエストは修理のために佐世保に入港していたことが明らかになった。

米海軍専用の赤崎1号岸壁に接岸したキーウエストのマストには足場がかけられていたが、これはこれまでほかの原潜でも入港時に外部の点検や補修のために行われることがあった。
しかし今回は架設された足場に加え、船尾付近に工作台船(YSR−1)が接舷し作業を行っていた。

作業台船の上には危険物取り扱い中であることを示す赤旗も確認できた。また、原潜の乗組員30名ほどが岸壁に上がって整列しているのも確認された。
これはどう見ても原潜キーウエストが洋上で何らかの機関のトラブルに見舞われ、駆逐艦ステゼムにエスコートされて入港したとしか考えられない。

工作台船の赤旗は原潜の非常用ディーゼルエンジンの燃料を抜き取る作業に伴って掲げたのか、あるいは別の理由によるものかはわからない。
原潜が停泊している場所から100メートルほどのところには民家もある。

米海軍佐世保基地では、昨年10月21日に前畑弾薬庫で発生した火災のときも佐世保市への通報が遅れたことが問題になったが、今回も佐世保市民の不安を解消するために実態を公表すべきだろう。
米海軍佐世保基地司令官が「市民との友好親善」を求めるのなら、まず事実を明らかにすべきなのは当たり前のことだ。

原潜キーウエストは修理疑惑を残したまま、4月5日に佐世保を出港した。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


'2007-4-6|HOME|