原子力空母ニミッツが佐世保寄港
佐世保基地に入港する原子力空母ニミッツ
2月11日早朝、米海軍の原子力空母ニミッツ(CVN-68)が米海軍基地がある佐世保港に寄港した。
ニミッツは1月24日にカリフォルニア・サンディエゴ海軍基地を出港していたもので、空母随伴艦のうち巡洋艦プリンストンは博多港
に同日入港した。
ニミッツの寄港目的については「乗組員の休養と補給のため」といういつもの決まり文句だが、米海軍のホームページによると横須賀に
配備されている空母キティホークの定期メンテナンス中、その代わりのプレゼンスのためという。
しかしキティホークはこれまでもたびたびメンテナンスや域外派遣で日本周辺(東アジア)に展開できないこともあったが、その度ごと
に「米本土から空母を派遣」したというのは昨年2月だけ。
明らかに今年8月にも予定されている原子力空母の横須賀配備を念頭に置いた「空母常駐が必要!」というキャンペーンであろう。
また、米国内の事情として、次期空母計画が定まらない状況の中で「空母はこんなに忙しいのだ!」ということをアピールしているもの
とも思われる。
今、東アジアでは特別な軍事的緊張があるわけでもない。キティホークの香港寄港を拒否した中国政府は、和解のしるしとして第7艦隊
旗艦ブルーリッジの香港寄港を認め、当面の緊張は解消したようである。また、朝鮮半島情勢もDPRK(北朝鮮)と米国の対話進展で一応の
安定が保たれている。
このような時期に原子力空母が佐世保に寄港することは地域の安定になんら寄与するものはなく、むしろ軍事的緊張をあおり不安定化
させるだけのものだろう。
(RIMPEACE編集委員・佐世保)(写真はすべて 08.2.11 撮影)
佐世保港内の錨地に停泊した原子力空母ニミッツ
'2008-2-12|HOME|