中国のタンカーも支援する佐世保基地
米海軍赤崎貯油所に停泊したタンカー「長航友諠」(4月3日撮影)
米海軍佐世保基地には大規模な貯油施設が4箇所設けてある。いずれも地下式のタンクで、艦船や航空機用の燃料が保管され、青森県三沢
基地や山口県岩国基地にも燃料を配送している。
また、イラク攻撃では推計30万キロリットル以上の燃料を艦船や航空機用に補給した拠点でもあった。
その佐世保基地にはMSC(米軍事海上輸送コマンド)がチャーターしたさまざまなタンカーが燃料を運んでくる。
4月3日には「長航友諠」というタンカーも寄港し、赤崎貯油所に燃料を補給した。
「長航友諠」は約5万トンのタンカーで、香港を船籍地としている。所有者および運送組織は「中国長江航運集団」(所在地中国武漢市)
に所属する「長江貨運総公司(CSC)」が保有し運用している。
また、「中国長江航運集団」は国家経済貿易委員会の管理下にあるものと思われる。つまり、れっきとした中国の国策会社のタンカーと
いえる。
米海軍佐世保基地の燃料貯蔵量は、フィリピンや沖縄周辺で相次いだ強襲揚陸艦エセックス遠征攻撃群(ESG)や、2月から東アジア
方面に展開している空母ニミッツ空母戦闘群(CSG)への補給で相当量搬出していた。
今回のタンカーによる搬入はその不足分を補うものだろうが、とかく米中の軍事対立をあおる発言が多い中、商業ベースではお互い持ちつ
持たれつの関係にあることも事実なのだろう。
(RIMPEACE編集委員・佐世保)
'2008-4-4|HOME|