海上保安部、抗議船団に異常な規制 


抗議船を空母から遠ざけるように警備する海保の巡視艇


整然と抗議行動を行う労働組合員たちの船(08.7.28 撮影)

米原子力空母ロナルド・レーガンが7月28日午前10時前佐世保港に入港したが、同時に空母の入港に抗議する抗議集会と海上デモが 行われた。
このうち海上抗議デモは佐世保地区労や社民党佐世保総支部などで構成する「空母寄港反対現地闘争本部」が組織したもので、労働組合員 などが持ち寄った小型船21隻が入港する空母と併走しながら行われた。

当初、抗議船団を組織している「現地闘争本部」は佐世保海上保安部との協議で船団が出港側航路を通過することを提案していた。
これは、以前の海上抗議行動に対して佐世保海上保安部からさまざまな要望があったことに配慮した結果であった。
現地闘争本部は安全対策などとして抗議船団の隻数を大幅に削減するなどの対案を示し、安全対策とアピール効果の調整を図った。

しかし佐世保海上保安部は「申請のコースについて検討する時間が不足している。」として認めず、結局前回同様のコースに固執してきた。
また、当日の海上行動についても停泊した空母ロナルド・レーガンから400メートルほども離れた海域を通行するよう規制し、船団の 抗議行動に干渉して来た。
これまで、現地闘争本部と佐世保海上保安部はさまざまな形で海上抗議行動の安全対策を行ってきたが、今回の規制は異常というしかない ほどのものだ。

これは佐世保だけに起きているものではないようだ。沖縄県辺野古の沖合いに移設が計画されている滑走路建設の海域調査でも海上保安庁 の強圧的な姿勢が目立っている。
原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀に配備される際は海上でもさまざまな抗議行動が計画されることも想定されることから、事前に 佐世保で強圧的な姿勢に出てきたのかもしれない。

せっかく映画「海猿」で信頼と理解が高まっている海上保安庁の業務に不信感を生むような今回の強圧的態度は感心できるものではない。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


陸上からも空母入港に抗議(08.7.28 金子ときお 撮影)


'2008-7-29|HOME|