放射能漏れ疑惑の中、原潜が佐世保寄港


赤崎岸壁に接岸する原潜ラホヤ

定期修理中の米海軍のロサンジェルス級の原子力潜水艦ヒューストン(SSN−713)で放射能を含んだ冷却水漏れが明らかになった直後の  8月4日朝、同級の原子力潜水艦ラホヤ(SSN−701)が米海軍基地赤崎岸壁に接岸した。

 ヒューストンの冷却水漏れについては
  @ 冷却水漏れの発見から日本政府への伝達が大きく遅れたこと。
  A 冷却水漏れの原因について十分な説明がないこと。
  B 同型の原潜に搭載してある原子炉の安全性について説明がないこと。
 などから8月2日午後、佐世保地区労や社民党佐世保総支部は朝長佐世保市長に対し、事態が明らかになり安全性が保証されるまで原子力 艦船の受け入れについては拒否するよう求めた。

 しかし朝長市長は「政府が安全を保証している」「国策に従うのは当然」などとして、市民の安全確保や不安の声に配慮することを拒否 し、放射能漏れを起こしたヒューストン以外の原子力艦船の寄港を積極的に受け入れる姿勢を明確にした。

 佐世保では原子力防災計画はあるが、計画に基づく防災・避難訓練には米海軍佐世保基地は参加を拒否している。この中での朝長市長の 発言は、市民の福祉や安全に責任を持つ自治体の長というよりも、政府の出先機関の職員の姿勢としか受け取れない。

 この発言を受けるように、8月4日には原潜ラホヤが寄港したが、佐世保地区労や社民党佐世保総支部は昼の抗議集会と合わせ、市内の 繁華街で抗議の座り込みを開始した。
 原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀配備が強行されようとしている今こそ、安全神話の崩壊した原子力艦船の寄港は許されない。

(RIMPEACE運営委員・佐世保 速見篤)(写真は 08.4.4 撮影)


佐世保市の繁華街で抗議の座り込み(前列右から2人目が速見)


'2008-8-5|HOME|