弾道ミサイル観測艦、沖縄・佐世保に連続寄港


佐世保基地に入港したオブザベーション・アイランド(08.9.1 撮影)

米海軍佐世保基地や沖縄・那覇軍港にこのところ弾道ミサイル観測艦オブザベーション・アイランドが反復寄港している。
同艦は今年4月末から8月中旬までは日本の港に姿を見せていない。航海パターンから推測すると、この間、定期メンテナンス などのため西太平洋から離れていたと思われるが、このところの反復寄港は同艦が再び西太平洋の「任務海域」に戻ってきたことを 意味しているのではないだろうか。

しかし、同艦がモニター対象としている中・長距離弾道ミサイル発射実験などのニュースは日本周辺を含む西太平洋やインド洋ではない ところから見ると、自国の駆逐艦などイージス艦が行っているミサイル発射テストあるいはモニター(追尾)テストの支援に駆けつけた のではないだろうか。

7月から8月にかけて日本周辺を駆け回っていた駆逐艦ディケーターは原子力空母ロナルド・レーガンとともにアラビア海など第5艦隊の 任務海域に展開しているので、ミサイル発射テストを行っているとすれば、横須賀基地に配備されている駆逐艦などだろう。
BMD対応の横須賀常駐艦のうち、巡洋艦シャイローと駆逐艦ステゼムが8月29日に久しぶりに横須賀に姿を見せている。

この2年ほど、「空母戦力の空白を作らないため」などという理由で佐世保に原子力空母が相次いで寄港していたが、北京オリンピックの 開会後に空白となった東アジアの「空母戦力」を弾道ミサイル観測艦が埋めるというのだろうか。
米海軍の関心はアジアの安定よりも空母戦力の維持とミサイル防衛(MD)に向かっている。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


'2008-9-3|HOME|