弾道ミサイル観測艦2隻、相次いで寄港


沖縄・ホワイトビーチに寄港したミサイル観測艦インビンシブル(08.9.29 撮影)


佐世保基地に寄港した、ミサイル観測艦オブザベーション・アイランド(08.10.1 撮影)

米海軍が運用する弾道ミサイル観測艦2隻が佐世保と沖縄・ホワイトビーチにほぼ同時に寄港した。

ホワイトビーチに9月30日に寄港したのはインビンシブル、10月1日に佐世保に寄港したのはオブザベーション・アイランドだ。
米海軍が運用しているミサイル観測艦は2隻だけ(もう1隻は準備中?)なので、すべての弾道ミサイル観測艦が日本に集結したことに なる。

このうちオブザベーション・アイランドは97年に中国の長距離弾道ミサイル東風(DF)31の発射を搭載しているレーダー「コブラ・ ジュディー」で捕捉したという。
また、朝鮮(DPRK)のノドン・ミサイルやテポドン・ミサイル発射の際もたびたび姿を見せている。
一方、インビンシブルはミサイル捕捉用のレーダー「コブラ・ジェミニ」を搭載し、99年以降たびたび日本各地の港に寄港していた。

この2隻の違いは船体の大きさではなく搭載してあるレーダーにある。
オブザベーション・アイランドに搭載してあるレーダー「コブラ・ジュディー」は長距離用、インビンシブルにも搭載してあるレーダー 「コブラ・ジェミニ」は中距離用と分けてあるようだ。

このタイプの違う2隻がほぼ同時に日本の港に寄港したのはどのような目的からなのだろうか。 日本周辺やインド洋まで見渡しても、今のところ弾道ミサイル発射を準備している国はないようだ。
ということであれば日本の海上自衛隊の護衛艦「こんごう」も含めたMD(ミサイル防衛)のための実験あるいは訓練に駆り出された、 と見るべきなのだろう。

今回の寄港は、たまたま周辺海域を台風が通過しことによる一時的避難と思われるが、私たちの見えないところで日米両国軍隊による 集団行動が行われていることに注意と監視が必要だ。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


'2008-10-1|HOME|