佐世保基地は燃料補給拠点


赤崎貯油所に停泊した長航吉祥。右は燃料補給艦ジョン・エリクソン(11月25日撮影)

米海軍佐世保基地では原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀に配備されて以降、空母艦隊に洋上で燃料を補給する役目の燃料補給艦の 動きが目立っていた。
原子力空母が搭載する航空機や随伴する駆逐艦、巡洋艦は燃料用の軽油(航空用ケロシンやガスタービン用ケロシン)が必要で、消費した 燃料を洋上で補給すため大型の燃料補給艦が随伴し補給している。

10月初頭から11月中旬まで続いていた日本周辺での空母艦隊と揚陸艦隊の訓練では、相当大量の燃料を消費していたようで、佐世保 基地には相次いで燃料補給艦が寄港していた。
しかし、その訓練も一段落したようで、佐世保基地の燃料貯油所岸壁には11月20から27日まで、ヘンリー・J・カイザー級(約4万 トン)の燃料補給艦ジョン・エリクソンが停泊していた。

佐世保基地からはこの2ヶ月間に7回もの燃料を搬出したが、その燃料を運び込んだのはすべて民間の大型タンカーだ。
今年6月以降だけでも6回(3隻)、大型タンカーが燃料を運び込んだようだ。その総量は20万キロリットル前後と推定されるが、 そのほかの在日米海軍基地(横須賀、沖縄)の動きから見ると、燃料補給活動は佐世保基地に集中していたようだ。

2003年3月に開始されたイラク攻撃ではさらに大規模な燃料輸送が確認されたが、今回の米海軍艦隊の動きと補給活動からは燃料補給 拠点としての佐世保基地の位置づけがさらに明確になったといえる。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


赤崎貯油所に停泊したオーバーシーズ・アンティグマー(8月8日撮影)


庵崎貯油所に停泊したマースク・ロード・アイランド(10月19日撮影)


'2008-11-27|HOME|