強襲揚陸艦が戻った佐世保基地
帰港した強襲揚陸艦エセックス(12月5日撮影)
12月5日朝、揚陸艦デンバーとともにアジア周辺での訓練に参加するため出港していた強襲揚陸艦エセックスが、9月19日以来約
3月ぶりに、配備されている米海軍佐世保基地に戻ってきた。
エセックスは一足先に佐世保を出港していたドック型揚陸艦ハーパーズ・フェリーと沖縄で合流したあと、揚陸艦隊(ESG)を編成して
10月中旬からフィリピンで行われてたPHIBLEX(旧・バリカタン訓練)に参加し、マニラの北西にあるスービック湾に寄港した。
スービックはかつて米海軍の基地があった街で、現在はフィリピン政府との協定(VFA)に基づきたびたび米軍艦船が寄港している。
エセックス揚陸艦隊は11月11日にいったん沖縄・ホワイトビーチ基地に立ち寄った後、今度は海上自衛隊のと共同訓練「ANNUALEX
20G」に横須賀に配備された原子力空母ジョージ・ワシントンの艦隊(CSG)とともに参加していた。
訓練終了後の11月下旬には中国・香港に寄港していたが、その後揚陸艦デンバーだけが一足先に戻っていた。
このあと近日のうちにドック型揚陸艦ハーパーズ・フェリーも戻ってくるものと思われる。
日米両海軍の共同で行われた「ANNUALEX 20G」は沖縄近海を主要な訓練海域として行われたが、この訓練に海上からの敵地進入・攻撃
・退去を主要な任務とする海軍の特殊部隊「SEALs」が乗艦していると思われる原子力潜水艦オハイオに、海上自衛隊の潜水艦隊司令など
が乗り組み、共同で作戦指揮していたことは日本の国防の基本である「専守防衛」をい逸脱するもので、きわめて問題のある訓練であった。
また、「SEALs」のプラットフォームとしても用いられる揚陸艦隊は同様に敵地進入を前提とするもので、原子力空母横須賀配備ととも
に活発化する訓練に監視と警戒が必要だ。
(RIMPEACE編集委員・佐世保)
一足先に戻り、弾薬を下ろすデンバー
港中央部には海兵隊の事前集積艦ジャック・ラマスも停泊した(12月1日撮影)
'2008-12-5|HOME|