掃海艦ディフェンダー、佐世保に搬入



貨物船コンドックWに積載されて来た掃海艦ディフェンダー(09.6.1 撮影)
 

6月1日午後、掃海艦ディフェンダー(Defender MCM−2)が貨物船に搭載されて入港した。 運んできたのはFlo−Flo(フロートオン・フロートオフ)船で、Condock W。

 掃海艦ディフェンダーはアベンジャークラスの2番艦でテキサス州イングリサイド海軍基地に配備されていたが、2006BRAC (基地再配置と閉鎖)計画でイングリサイドが閉鎖または縮小されるため、カリフォルニア州サンディエゴ海軍基地にいったん配備された。 その後太平洋を越えて佐世保にきたようだ。

 貨物船で輸送してきた理由について米海軍の説明では、太平洋を航海する時間の短縮と安全対策を挙げている。  アベンジャークラスの掃海艦は排水量1312トン、乗組員は84人で速度は14ノット、航海距離は約2700キロだから、時間もか かるし途中で補給作業なども必要となるため、貨物船で輸送する方法を選択したようだ。

またこのほかに、今月下旬ころにはもう1隻同型の一番艦アベンジャー(Avenger MCM−1)も佐世保に配備される計画がある。
当初米海軍佐世保基地は5月29日付のニュースリリースで「アベンジャーが配備」と明らかにしていたが、実際にやってきたのは ディフェンダーで、今月末ごろにアベンジャーが配備されるものと思われる。
 現在、米海軍佐世保基地には同型の掃海艦2隻が常駐(母港)配備されているので、合計4隻が西太平洋(東アジア)に展開することと なる。

 新たに配備される掃海艦2隻の配備期間や目的については明らかにされていない。しかし、アベンジャーのモットー「航路の誘導と防御」 、ディフェンダーのモットーは「進入路の保障」のとおり、掃海艦の任務が機雷の除去と航路の啓開であること、さらにこのところ海軍 特殊部隊(NAVYSEALs)の輸送に当たる原子力潜水艦が沖縄に頻繁に寄港していることを考えると、軍事的な圧力の強化と思わざ るを得ない。

なお、佐世保に配備されている2隻の掃海艦は4月に沖縄・石垣島に寄港したあと、インドネシアやフィリピンを訪問し、5月26日 には2隻そろって香港に寄港した。そのうちの1隻、パトリオットがホワイトビーチに寄港しているのが2日に確認された。
4隻の掃海艦が佐世保で一堂に会する日が近づいている。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


ホワイトビーチに停泊中の掃海艦パトリオット(09.6.2 世嘉良 学 撮影)


2009-6-2|HOME|