音響測定艦の準母港、佐世保に移る


佐世保基地立神岸壁に係留中の音響測定艦エフェクティブ(左)とビクトリアス


エフェクティブの後方に、ケーブル状のパッシブ・ソナーを巻き取るリールがある(10.10.18 撮影)

米海軍の音響測定艦の佐世保寄港が目立つようになり、昨年末以来横浜ノースドックから姿を消している。
これまで準母港の役割を果たしてきた横浜ノースドックでは、任務航海の合い間の長期の停泊地の機能のほかに、もろもろのメンテナンス も行われていた。
音響測定艦の生命線とでも言うべき、パッシブ・ソナーのメンテナンスも行われていた。そのために、音響測定艦からケーブル状のパッシ ブ・ソナーを巻き取るリールが常備され、艦尾のリールからバージの上の大型のリールにケーブルを巻き取る作業が1ヶ月に一度くらいの ペースで行われていた。


音響測定艦の艦尾のリールから出たケーブルが、大型の巻き取りリールに渡されている


かなり太いケーブルを巻き取る作業は2人がかりで慎重に進められる(06.7.3 横浜ノースドック)

この作業に使用する大型リールが、佐世保基地に停泊する音響測定艦の後方に置かれていた。佐世保が単なる係留地ではなく、ソナーの メンテを行う機能を備えていることがはっきりした。

ノースドックにあった機能が佐世保に移管されて、5隻の音響測定艦が佐世保を準母港として使うようになった。
東シナ海や南シナ海で任務を行う音響測定艦の短期の休養や補給のために寄港する基地として那覇軍港があった。この前進基地とも言う べき那覇軍港への音響測定艦の寄港がなくなった。横浜ノースドックから佐世保に母港機能がシフトしたのとほぼ同じ時期に、那覇軍港 からホワイトビーチへのシフトも起きた。

戦略的に重要な情報を収集する艦船の根拠地を海軍の基地に置くと言うことなのか、特に沖縄での嘉手納基地以南の基地の返還に備えた 動きなのか、明確な路線はまだ見えてこない。ただ、機能の受け入れにより佐世保やホワイトビーチの基地機能が強化されたことは間違い ない。

(RIMPEACE編集部)


大型音響測定艦インペッカブルは、ホワイトビーチへの短期寄港を続けている(10.10.24 世嘉良 学 撮影)


2010-10-28|HOME|