米艦船、佐世保に放射能汚染物持ち込み


放射能汚染物の持ち込みについて佐世保市当局に真相究明を求める、佐世保
地区労と社民党佐世保総支部など。前列向かって左が筆者。(11.8.5 撮影)

米軍が東日本大震災で繰り広げた「トモダチ作戦」の際に放射能で汚染した航空機(ヘリコプター)を除染した布などを米海軍佐世保 基地の赤崎貯油所地区にひそかに搬入していたことが明らかになった。
 8月5日の報道で明らかになったもので、佐世保市(基地政策局)にも知らされていないことも判明した。
 佐世保市が外務省(日米地位協定室)に問い合わせたところによると、放射能汚染物は「福島第一原子力発電所事故に由来するもの であり、東京電力を含む日本側が責任をもって処分すべきもの」「具体的な処分方法について日米間で協議している」とし、さらに 「保管しているものの放射線レベルはごく低いものであり、適切に管理、保管されており、−中略− 安全性には心配ない。」という ことであった。
 

地位協定に定めがないから問題ない?

このことについて佐世保地区労と社民党佐世保総支部などは8月5日、佐世保市に事実経過を明らかにするよう求めたが、佐世保市 当局は「事前に説明がなされるべき・・・」としたものの、持ち込みそのものついては地位協定に放射能汚染物の搬入についての規定 がないので「国と国の問題なので、双方で話し合い・・・」(基地政策局高増次長)と、佐世保市民の安全を預かる立場を忘れ、 まるで他人事のような姿勢に終始した。

さらに「搬入について報道されなければ国も米軍も隠すつもりだったのではないか。」という追求には明確な返事はなかった。
また、汚染物の保管方法や放射線のレベルについても佐世保市がまったく情報を持っていないことも明らかになり、今後の対応についても 「早急に適切な処分」を外務省に申し入れるとしただけで、搬入の問題点については回答がないままであった。

私たちは「トモダチ作戦」のとんでもないプレゼントが市民に秘密のまま搬入し保管されていることに強く憤りを覚える。
根底には日米地位協定の不備があり、また、安易に「国策」に追従する朝長佐世保市長の姿勢にも問題があると考える。
早急に経過を明らかにし、撤去されることを求めていく。

(リムピース運営委員 佐世保市議会議員 速見篤)


2011-8-6|HOME|