「トモダチ作戦」のプレゼント


三陸沖から佐世保に戻ってきたエセックス(4月14日 読者撮影)


放射能汚染物を搬入したと思われる補給艦リチャード・E・バード(4月24日撮影)


 米海軍が東日本で繰り広げた「トモダチ作戦」の際、放射能で汚染した航空機(ヘリコプター)などを除染したときに発生した 低レベルと思われる汚染物資が米海軍佐世保基地にひそかに搬入されていたことが明らかになった。
リムピースは搬入や保管などについて、これまでのデータから次のように推測する。

 まず、「トモダチ作戦」で中心となったのは強襲揚陸艦エセックスなどの揚陸艦隊であったことは米海軍の公式発表などで明らかに なっている。したがって、汚染した航空機はエセックスのヘリコプターと思われる。
また、搬入し保管されている場所は「赤崎貯油所内の倉庫」としか明らかにされていないが、作戦海域からエセックスなどが戻ったのは 4月14日で、停泊した場所は佐世保基地の中心部にある平瀬岸壁。とてもここで放射能汚染物を下ろし、赤崎貯油所地区まで陸送 したとは思えない。

赤崎貯油所の岸壁には4月23日、貨物弾薬補給艦リチャード・E・バード( Richard E Byrd  T-AKE‐4)が接岸し、25日 まで停泊している。R・E・バードはエセックス艦隊に随伴していたことが明らかになっており、この補給艦が「サンタのトナカイ」 として件の汚染物を持ち込んだ可能性が高い。

また、保管してある場所だが、赤崎貯油所地区にある医薬品倉庫であると思われる。この倉庫は野戦病院セットを保管するために建設 されたが、数年前から使用されていないようだ。保管場所としては最適と思われる。

このほかに汚染物を持ち込んだ可能性がある輸送艦や補給艦が数隻いるが、いずれも沖合いに停泊しており、赤崎貯油所の岸壁に接岸 した、あるいは上陸用舟艇で持ち込んだ形跡はない。

赤崎貯油所がある岸壁には昨年4月26日から8月4日までの期間、延べ33隻が停泊していたが、今年の同期間には延べ10隻に激減し ている。
米軍も「危険」として避けているのだろうか。

(リムピース編集委員・佐世保)


放射能汚染物の保管が疑われる大型医薬品倉庫(8月5日撮影)


2011-8-6|HOME|