音響測定艦ビクトリアス、リニューアルで佐世保登場


3隻がそろって停泊している音響測定艦(正面左がインペッカブル、右がビクトリアス、手前にエイブル)


立神岸壁に接岸したビクトリアス(2012.3.21 撮影)

米海軍が運用している音響測定艦ビクトリアス(Victorious T-AGOS-19)が3月21日、米海軍佐世保基地の立神岸壁に接岸した。
ビクトリアスの寄港は昨年9月14日に佐世保を出港して以来だが、その間に船体の形状が変わっていた。

これまで同型のビクトリアス級(エイブル、エフェクティブ)には潜水艦を運距離から探知するためのコンパクト版低周波アクティブ(CLFA)ソナーが順次追加搭載されてい たが、一番艦のビクトリアスはこれまで改装されないままだった。
しかし今回寄港したときはほかの2隻の同型艦と同様の船体に代わっており、ビクトリアスにもCLFAソナーが搭載されたものと思われる。
これでロイヤル(Loyal T-AGOS-22)以外の4隻の音響測定艦が低周波アクティブソナーを装備したことになる。

低周波アクティブソナーが潜水艦探知用に発する低周波音は、これまでイルカやクジラの暴走を引き起こすなど海洋ほ乳類に悪影響を及ぼすことが確認されている。
佐世保周辺海域ではすでに、沖合に生息しているはずのゴンドウイルカが沿岸の九十九島に迷い込むなどの異変が起きており、これまで以上に周辺海域の海洋ほ乳類にとって は迷惑な存在になりそうだ。

佐世保基地には3月21日現在、音響測定艦インペッカブル(Impeccable T-AGOS-23)、同エイブル(Able T-AGOS-20)も停泊している。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


昨年6月、米海軍立神岸壁に接岸している2隻の音響測定艦(奥がビクトリアス、手前はエフェクティブ)(再掲 2011.6.20 撮影)


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