佐世保に音響測定艦がずらり


3隻が並んだ米海軍佐世保基地の立神岸壁(手前からインペッカブル、エイブル、エフェクティブ)(11月30日撮影)

この数年、佐世保港には米海軍の音響測定艦が集中している。 昨年は1年間で5隻が延べ35回入港し、今年も11月末までに5隻が延べ29回入港している。
このため音響測定艦が複数隻同時に停泊することも日常風景になっているが、11月末にも3隻が同時に停泊している。

3隻が同時に停泊するのは8月下旬以来となったが、音響測定用の装備や主要備品を交換している様子は観測できていないので、佐世保は燃料や食料の補給と艦体の維持作業および乗組員の休養の 場所として利用されているのではないだろうか。

 なお、エイブル(ABLE T‐AGOS-20)が佐世保に入港した前日の11月29日、佐世保から60キロ南の長崎港にイルカの群れが迷いこんできた。
 迷い込んだイルカは比較的沿岸部に生息しているハンドウイルカ約100頭とミナミハンドウイルカ約20頭で、一部は観光名所「グラバー園」の近くの松枝国際埠頭付近でも確認されたと いう。
 音響測定艦が使用している低周波(LAF)ソナーに驚いて迷走したということではないだろうが、イルカやクジラなどの海洋ほ乳類にとって、海中で大音響を発する音響測定艦は迷惑な存在 だろう。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


長崎港内を泳ぐミナミハンドウイルカ(推定)の群れ(11月29日、読者撮影)


2012-11-30|HOME|