音響測定艦が沖縄と佐世保に分散寄港


佐世保に停泊中の音響測定艦エイブル(右手前)とロイヤル(左奥)(2013.2.11 撮影)

潜水艦の追尾を任務としている音響測定艦が沖縄と佐世保に分散して寄港している。
米海軍は音響測定艦を5隻運用しているが、この数年、寄港地は佐世保に集中している。

昨年の例では、佐世保に延べ30回寄港し446日間停泊しているが、そのほかでは沖縄・ホワイトビーチに7回寄港し延べ17日間停泊、那覇軍港には2回9日間となっている。 (リムピースの統計より)
寄港回数などで見ると、活動状況では東シナ海や南シナ海、日本海の気象・海象条件が悪い冬場には比較的少なく、それ以外の季節に寄港が集中する傾向がある。
 そのため任務海域に近い沖縄(那覇軍港、ホワイトビーチ)に冬季に寄港することは極めてまれであった。

 しかし昨年末から、最新の音響測定艦インペッカブル(T−AGOS−23)が長期間ホワイトビーチに停泊しいているのをはじめ、佐世保にはエイブル(T−AGOS−20)とロイヤル (T−AGOS−22)が1月初旬から居座っている。
 これに加えて2月9日、那覇軍港にビクトリアス(T−AGOS−19)が入港し、残っているのはエフェクティブ(T−AGOS−21)だけとなった。

 この時期、海象条件を考えると音響測定艦が東シナ海や南シナ海に展開しているとは考えにくい。音響測定艦が沖縄と佐世保に分散寄港しているということは、音響測定艦が「一休み」している ということなのだろうか。
それとも、尖閣諸島をめぐって高まっている日本と中国の海上紛争に巻き込まれたくないとして引き揚げているのだろうか。あるいは駆逐艦やフリゲート艦などの戦闘艦によるエスコートが難しく なったためということもある。
 今後の動きに一層の注意が必要だ。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


那覇軍港に停泊中の音響測定艦ビクトリアス(右)(2013.2.9 読者撮影)


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