動きが止まった佐世保の揚陸艦隊


平瀬岸壁に停泊中のボノム・リシャールとアシュランド


立神岸壁に停泊中の右から音響測定艦ロイヤル、ドック型揚陸艦ジャーマンタウンなど


赤崎岸壁に接岸した測量艦M・シアーズ(11月12日撮影)

 例年のこの時期、佐世保に配備されている揚陸艦隊は「秋のパトロール」で西太平洋(東アジア)に出かけ、各国との共同訓練などを行っている。
 しかし今年は強襲揚陸艦ボノム・リシャール(Bonhomme Richard LHD-6)とドック型揚陸艦ジャーマンタウン(Germantown LSD-42)が9月30日に、ドック型輸送揚陸艦デンバー(Denver LPD-6)が10月16日にそれぞれ戻ってきて以来、ほとんど動きを止めている。
 もう1隻のドック型揚陸艦アシュランド(Ashland LSD-48)も交代配備後の航海訓練を終えた後は岸壁に停泊したままだ。

 ボノム・リシャールは不祥事(?)による艦長交代の関係もあるのかの知れないが、その他の揚陸艦も何らかの事情を抱えているのかもしれない。
 星条旗新聞(Stars & Stripes)の記事によれば、米海軍の補給をめぐる収賄事件にボノム・リシャールの艦長も関係しているようだが、そのことも影響しているのかもしれない。

 しかし、最大の理由は毎年10月から始まる新年度の予算が確定していないため、諸外国との合同訓練が実施できないためではないだろうか。
 米海軍の限られた予算の中でもっとも「銭くい虫」は空母艦隊だが、その次は揚陸艦隊、ということで、不要不急の訓練や航海がキャンセルされたものと思われる。

 このほか、音響測定艦エフェクティブ(Effctive T-AGOS-21)が11月10日に立神2号岸壁に、同型のロイヤル(Loyal T-AGOS-22)が11月12日に立神8号岸壁に、測量(海洋調査) 艦マリー・シアーズ(Mary Sears T-AGS-65)が12日に赤崎2号岸壁に、貨物弾薬補給艦ワシントン・チェンバーズ(Washington Chambers T-AKE-11)が9月30日から停泊している。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


11月12日の停泊位置


2013-11-12|HOME|