佐世保基地に350回目の原潜寄港


岸壁に近づく原潜ハワイ


接岸作業中の原潜ハワイ。後方は原潜の放射能調査を行う海保のモニタリングボート

 新型のバージニア級原潜ハワイ(HAWAII SSN−776)が12月23日朝、米海軍佐世保基地赤崎岸壁に接岸した。佐世保寄港は初めて。
 原潜ハワイはバージニア級の3番艦で2007年5月に就役している。2009年5月からはハワイ州パールハーバーを母港として、今年8月20日には横須賀にも寄港していた。さらに 今月に入って3回、ホワイトビーチ沖合に一時寄港している。

 バージニア級の原潜には新型の戦術ESM戦闘システム(ASTECS)が搭載され、ロスアンゼルス級と比較すると、電子戦対策(ESM)が強化されている。
また、これまでの原潜と違って水中での戦闘や空母など艦隊護衛だけでなく、特殊部隊の輸送能力も設計段階から付加され、局地戦にも対応できるという。

 原潜の佐世保寄港は今回のハワイ寄港で、50年前の1964年11月12日に原潜シードラゴン(SEADRAGON SSN−584)が寄港して以来、350隻目となった。
 ちなみに、原潜初寄港から100回目までは34年、次の100回目までは7年と、原潜寄港は東西冷戦後に集中している。姿を隠していた「海の忍者」が、旧ソ連艦体の崩壊で深い海では 住むところをなくし、沿岸部での作戦行動が多くなったことが背景にある。もはや隠れ潜む必要がなくなったことが理由だろう。
 バージニア級の原潜も艦隊防御などではなく特殊部隊の輸送や回収が主要な任務の一つになったのだろう。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)(2014.12.23 撮影)


佐世保に初寄港した原潜シードラゴン(毎日新聞から)


2014-12-23|HOME|