佐世保市防災訓練にオスプレイ


陸上自衛隊訓練場に近づく2機のオスプレイ

 防災の日の9月1日、佐世保市の防災訓練に米海兵隊のオスプレイが参加した。

 海上自衛隊から佐世保市に打診があり、佐世保市が離島からの患者輸送に使用するということでオスプレイの参加が決まったようだ。
 しかし、ほかの輸送手段ではなくオスプレイを使用したことについて朝長則男・佐世保市長は「多様な輸送手段を使用できるから」としたうえで、「自衛隊のヘリコプターなどが すべて出払っていて、たまたま、オスプレイが沖縄から佐世保に造水装置を運んできていたから」という無理な状況設定をこじつけた。
 しかし、防災訓練であれば、実行可能な手順を定めて行うべきものであって、「たまたま」飛来して来ていたからという「偶然」に期待するのでは訓練になっていない。

 訓練に参加したオスプレイは「Flying Tigers」のマークを付けた2機で、陸上自衛隊相浦駐屯地の訓練場に設けられたヘリパットに着陸した。
 当日は雨で、砂塵の巻き上げはなかったが、雑草を吹き飛ばしながら着陸した。

 患者輸送では、約50キロ離れた離島の宇久島からタンカに乗せられたけが人を機内に運び込んだが、固縛装置がなかったのでけが人は自力で歩いてベンチに座っていたという。

 訓練の総括はこれから行われるだろうが、偶然を期待し、整地された安定した場所から安定した地域への輸送しかできないオスプレイの問題も明らかになった。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)(9月1日撮影)


雑草を吹き飛ばしながら着陸するオスプレイ


2016-9-2|HOME|