原潜、最多となった佐世保寄港


佐世保港中央部を進む原潜コロンビア


漂泊して人員移送中のコロンビア(12月27日撮影)

佐世保港への原潜寄港が増えているが、12月27日午後、原潜コロンビア(Columbia  SSN-771)が佐世保に入港したことで、原潜寄港回数は年間で最多となる9隻延25回目の寄港となった。

 コロンビアは港中央部に漂泊したのち、数名の人員と多量の食料品が入っていると思われる箱を積み込み、短時間で出港した。

 コロンビアは2016年11月1日に横須賀を出港したのち、母港としているハワイ・パールハーバーに戻っていたようで、今回は新たな任務航海として佐世保に寄港したようだ。

 25回となった原潜寄港のうち、21回は短時間で出港しており、数日間停泊したのは4回だけで、東アジアのほかの寄港地(横須賀、韓国・プサン、フィリピン・スービック)が1週間ほ ど停泊していたことと対照的になっている。

 米海軍のホームページなどによれば、原潜がこれまでの対水上艦、対潜水艦攻撃に加え、情報収集、監視、偵察、特殊作戦部隊の輸送と回収、非正規戦、機雷作戦も任務に追加するなど 多種の任務を行うようになったという。

 このマルチ・ミッションのための訓練やテスト、さらには取集した情報の伝達や作戦命令の受け渡しなどのため、作戦海域に近いと思われる佐世保や沖縄・ホワイトビーチへの寄港を 繰り返しているものと思われる。

 一方、米国トランプ大統領が選挙公約に掲げた「海軍350隻体制」へ向けた動きなども影響しているのだろう。

 なお、佐世保港には12月5日から米海上軍事輸送コマンド(MSC)が運用している海兵隊の事前集積艦フレッド・ストックハムが停泊している。  

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


事前集積艦フレッド・ストックハム(12月11日撮影)


2017-12-27|HOME|