朝鮮国連軍艦船、相次ぎ佐世保に寄港
4月6日に入港したタイ国海軍のフリゲート艦。右は米海軍の揚陸艦グリーンベイ(4月6日 篠崎 撮影)
朝鮮戦争国連軍に参加している国の艦船が、昨年から相次ぎ米海軍佐世保基地に寄港している。
米海軍佐世保基地は朝鮮戦争に際して創設された国連軍(手続き上は多国籍軍)の基地に指定されている。
そのため、国連軍参加国は「国連軍地位協定」により寄港が認められており、これまでは時折、各国海軍の艦船が国連軍地位協定に基づき佐世保に寄港していた。
しかし、朝鮮半島の非核化をめぐる米朝会談で朝鮮戦争の終結と平和条約締結が議題になったころから、各国軍艦の寄港が目立つようになってきた。
昨年は5月(英国海軍揚陸艦)、6月(英国海軍補給艦)、8月(シンガポール海軍揚陸艦)、9月(タイ国海軍フリゲート艦、コルベット艦)が入港しており、6月に寄港した英国海軍の補給
艦1隻以外は海上自衛隊との共同訓練や親善交流も行われていない。
今年なって4月6日にはタイ国海軍フリゲート艦ナレースワン(Naresuan FF-421)とバンパコン(Bangpakong FF-456)が11日まで停泊し、その出港前日にフランス海軍のフリゲート艦
ヴァンデミエール(Vendemiaire F 734)が米海軍平瀬岸壁に停泊した。
一方では米朝会談とその後の米韓合同訓練の縮小や中止で朝鮮半島の緊張緩和を演出しながら、他方ではこれまでにない頻度で国連軍の艦船を朝鮮半島周辺に出没させている。
結局のところ、「武力を背景にした米朝会談」ということなのだろう。
(RIMPEACE編集委員・佐世保)
4月10日に入港したフランス海軍のフリゲート艦(4月13日 篠崎 撮影)
2019-4-13|HOME|