揚陸艦グリーンベイ、佐世保に戻る


平瀬岸壁に接岸したグリーンベイ(9月5日 篠崎 撮影)

佐世保を5月に出港して以来、東アジアに展開していたドック型輸送揚陸艦グリーンベイ(GREEN BAY  LPD-20)が9月5日、配備されている米海軍佐世保基地に戻ってきた。

グリーンベイは強襲揚陸艦ワスプ(WASP LHD-1)、ドック型揚陸艦アシュランド(ASHLAND LSD-48)とともに展開していたが、ほかの2隻が沖縄経由で帰ってきた後も、周辺海域にとどまってい た。

今回の一連の作戦展開には、佐世保湾内の西海市横瀬に駐機しているLCAC(ホバークラフト型揚陸艇)の大半を残したまま出港しており、代わりに旧型のLCUを舟艇での揚陸手段としてい たようだ。
LCACについては、米海軍の運用計画によれば毎年数隻をSLEP(艦船寿命延長計画)で使用を続け、近い将来新型の揚陸艇(SSC)に置き換える計画だが、まだ具体的なデザインなどは 決まっていないようだ。
 そのため、揚陸艦出港後に残されたLCACは「運用資格取得」のため、西海市などの抗議を無視して夜間航行訓練を佐世保湾内などで行っている。

一方、昨年から佐世保基地に配備されていた強襲揚陸艦ワスプは8月27日早朝、豪雨の中を出港していたが、星条旗新聞などの記事によると、米本土へ向けて航行中で、すでに第3艦隊のエリアに いるという。
 ワスプの出港時に特別のセレモニーなどは行われなかったようで、米海軍としてはワスプは一時的な配備、としていたのだろう。

 強襲揚陸艦の後継としては最新型のアメリカ型の一番艦アメリカ(AMERICA LHA-6)が佐世保に配備されるようだが、日程はまだ明らかになっていない。

 アメリカは航空機運用能力を強化してF35BUが運用できる一方、ウエルドックを廃止したため上陸用舟艇の運用は制限されているようで、その補助のためグリーンベイと同型のLPDが1隻、 追加配備される、という。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


出港に備え、赤崎岸壁で補給を受けるワスプ(8月26日 篠崎 撮影)


2019-9-6|HOME|