強襲揚陸艦アメリカ、航空機を満載して帰港
接岸作業中の強襲揚陸艦アメリカ
飛行甲板に並んだ9機のオスプレイ
後部甲板にはCH53が3機
強襲揚陸艦アメリカ(America LHA-6)が2月25日朝、飛行甲板に航空機を満載した状態で佐世保に帰ってきた。
アメリカは1月14日に出港後、フィリピン海や沖縄近海に展開し、訓練を続けていた。従来であればこの時期は「スプリング・パトロール」として東アジア諸国との訓練を繰り広げ、4月頃に戻ってきていた。
今回の早い帰港は異例とも思えるが、それにもまして変わっているのは、ヘリコプターなどを搭載したまま戻ってきたことだ。これまで強襲揚陸艦は、任務航海終了後は沖縄で海兵隊と航空機をすべて降ろして佐世保に戻ってきていた。しかし25日に戻ってきたアメリカの甲板上にはF35Bの姿はなかったが、MV22オスプレイとCH53重ヘリなどの航空機を乗せたままだった。
いかにも即応態勢を維持したまま、という感じだ。
アメリカから上陸する海兵隊員と思しき兵士たち
陸上自衛隊と海兵隊31MEUの共同訓練が3月4日から25日まで静岡県東富士演習場などで行われる予定だが、これほど前に海兵隊員を乗せたまま佐世保に立ち寄るのはどんな目的があるのだろうか。東ヨーロッパではウクライナを巡って戦闘が始まっているが、その中での異例のアメリカの帰港はユーラシア大陸の西端にも緊張が高まることにつながるだろう。
ロシアの軍事侵攻が生み出す混乱がアジアにも広がるのは避けなければならない。
(RIMPEACE編集委員・佐世保)(2月25日 篠崎 撮影)
2022-2-25|HOME|