忙しかった米軍佐世保基地
赤崎岸壁にアシュランド(右)と並んで停泊したシャイロー(22.12.6 篠崎 撮影)
停泊したシャイローの甲板にはSH-60が係止されている(22.12.6 篠崎 撮影)
11月の佐世保基地は艦船の出入りが相次いだ。
横須賀基地に配備されている空母ロナルド・レーガン(RONALD REAGAN CVN -76)とその随伴艦が周辺海域で訓練など繰り広げたことで、休養や補給関係と思われる艦船の動きが連続した。
また、日米掃海訓練が宮崎県の沖で行われ、佐世保基地に配備されている掃海艦が参加した。
更にはオーストラリア海軍のフリゲート艦アランタ(Arunta FFH-151)、沖縄に展開している米陸軍の大型揚陸艇カラボザ(LCU-2009)など、日ごろ見慣れない艦船も寄港した。
洋上戦闘艦では北海道・函館に一時寄港した駆逐艦ベンフォルド(Benfold DDG-65)が燃料補給のため10月28日から11月3日まで、同ハワードが11月1日から2日まで沖合に停泊した。いずれも横須賀基地に配備されている。12月6日にフィリピン海でロナルド・レーガンに随伴していた巡洋艦シャイロー(Shiloh CG-67)も寄港した。
佐世保基地に配備されている揚陸艦などでは、11月4日に出港した強襲揚陸艦アメリカ(America LHA-6)が7日に帰港、8日に出港、9日に帰港と細かな動きを繰り返した。メンテナンス後の検査効果が目的だったのだろう。
ドック型輸送揚陸艦グリーンベイ(Green Bay LPD-20)は8月から休養とメンテナンス作業を受けていたが、貨物や弾薬を積み込んだ後、12月2日に出港した。
同型の揚陸艦ニューオルリンズ(New Orleans LPD-18)が10月下旬に沖縄・ホワイトビーチ基地で貨物や車両などを降ろして10月29日に佐世保に戻ってきたが、11月3日に出港し、キーン・スォード(Keen Sword 23)に参加した。
その後、11月18日には佐世保港中央部の荷役錨地で弾薬などを降ろし、22日に平瀬岸壁に停泊した。
補給関係では貨物弾薬補給艦カール・ブラッシャー(Carl Brashear T-AKE-7)が3回、サカジャウイア(Sacagawea T-AKE-2)が1回寄港した。燃料補給艦はラパハノック(Rappahannock T-AO-204)が2回、ジョン・エリクソン(John Ericsson T-AO-194)が1回寄港して燃料を搬出した。
また、中型タンカーのポハン・パイオニア(Pohang Pioneer)とSLNC PAXがそれぞれ寄港して燃料を国内外の基地に輸送した。
空腹になった燃料庫を満たすため、大型タンカーのマースク・ミシガン(MAERSK MICHIGAN)とSLNCグッドウィル(SLNC Good Will)がそれぞれ赤崎と庵崎の貯油所に燃料を運び込んだ。
10月から11月の2か月間、佐世保基地は多忙を極めたようだ。
なお、佐世保には12月6日に寄港した巡洋艦シャイローのほか、配備艦では揚陸艦のアメリカ、ニューオルリンズ、アシュランドが、掃海艦チーフ(Chief MCM-14)、パイオニア(Pioneer MCM-9)、パトリオット(Patriot MCM-7)が岸壁に停泊し、その他にもカール・ブラッシャーとサカジャウイアが港中央部に停泊している。(12月6日現在)
(RIMPEACE編集委員・佐世保)
出港に備えて貨物などを積載中のグリーンベイ(22.12.1 篠崎 撮影)
2022-12-8|HOME|