在日米軍の港湾施設、とりわけ沖縄の各港湾と佐世保港に大型貨物輸送艦が寄港する回数が急増している。
これまで日本の民間港湾も含め、米軍所属の大型貨物船が入港する回数は、年間10隻前後であった。しかし、2001年のイラク攻撃の後、米軍の戦力再配置(フォース・トランスフォーメーション)構想が明らかになって以降、昨年7月からの1年間で、沖縄と佐世保だけで35隻もの大型貨物輸送艦が寄港した。
特徴は、これまであまり姿を見せなかった陸軍第4事前集積艦隊所属の大型艦(6万トン級)が頻繁に寄港するようになったこと、即応予備艦隊所属の艦船(2万トン級)がほぼ定期的に寄港するようになったことだ。また、今回の統計には含めていないが、新型の高速輸送艦(HSV)が海兵隊の移動手段として投入されている。
一方、これまで韓国や東南アジアでの訓練のたびに寄港していた海兵隊第3事前集積艦隊所属の大型艦(4万トン級)は、HSVが代行しているためか、大きな変化はない。
断定はできないが、米軍の戦力再配置計画の焦点である在韓米軍の再編に絡んだ動きと見ていいだろう。今後、朝鮮半島を含め、アジアへの戦力再投入(リエントリー)のための補給拠点あるいは中継拠点構築の動きが出てくるだろうが、この1年間の補給・輸送関係の動きは今後とも注意しておくべきだろう。
なお、陸軍事前集積艦には配備が始まったばかりのボブ・ホープ(Bob Hope)級もいた。
(RIMPEACE編集委員・佐世保)