10月29日、韓国・テグ(大邸)に駐留する米陸軍が特殊作戦用のヘリコプターを使って長崎県五島列島・福江島にある福江空港で低空飛行訓練(ロー・パス)を行なおうとしていた。
訓練に使用される機種はMH−47という特殊作戦用の大型ヘリコプターで、米軍が外務省に申し入れた内容によると、緊急時に着陸するための訓練で、3機が低空で滑走路に進入し、着陸せずに通過するというもの。沖縄と韓国を結ぶ空路の途中にあるので緊急時に利用したいというのが理由となっている。
これまで韓国と沖縄の間のヘリコプター移動は、沖縄-奄美-(熊本)-岩国-韓国国内が通常のルートになっていたが、今回の訓練の目的は沖縄-韓国の間の最短コースを設定するため、将来的には福江空港を補給支援のため使用するという意図で行なわれたようだ。
これに対して長崎県平和センターは知事に中止を求めるよう積極的に動くよう申し入れるとともに、当日は現地で抗議集会を開催することを計画した。
これを受けて長崎県は知事名で中止を申し入れたが、米軍からはなんの返答もなかった。
訓練は10月29日午後5時から約1時間にわたって行なわれる予定だったが、当日の朝、外務省に中止の連絡があった。中止の理由について米軍は「運用状の都合」とだけ回答したが、28日から続く強風のため中止せざるを得なかったようだ。
福江空港は2000メートルの滑走路を持つ地方空港で、福岡空港と長崎空港との間でそれぞれ3便の定期航路がある。
MH47ヘリは、昨年沖縄で不時着事件を起こしている。 米軍ヘリ、特殊作戦用のMH47不時着(琉球新報
2001年10月12日)