日本周辺の補給・輸送艦の動き


ホワイトビーチ沖に停泊中の事前集積艦アレックス・ボニーマン(08.4.6 世嘉良 学 撮影)

空母キティホークの定期修理期間の空母プレゼンスをカバーするため、という理由で原子力空母ニミッツが日本周辺に派遣され、佐世保に寄港(2月11日〜15日)してから約2ヶ月が経った。
 この間、佐世保を母港としている強襲揚陸艦エセックスなどの艦隊および横須賀を母港としている空母護衛艦隊は原子力空母ニミッツと共に韓国やフィリピンなどでさまざまな訓練や作戦行動を繰り返した。

 昨年2月にも空母キティホークに代わるものとして原子力空母ロナルド・レーガンが派遣されていたが、今回も同様な作戦や訓練が行われたようだ。
 そこで、この期間中、補給・輸送に当たったと思われる艦船の動きを整理してみた。

      入港 出港
艦船の種類 艦船の名称 寄港地
燃料補給艦 ペコス 佐世保 2 11 2 14
  ラパハノック 佐世保 2 16 3 5
  ペコス 佐世保 3 8 3 11
  ペコス 佐世保 3 13 3 15
  ペコス 佐世保 3 21 3 22
  ペコス 佐世保 3 28 3 31
  ラパハノック 沖縄・天願 4 4 4 5
  ペコス 佐世保 4 4 4 5
戦闘給糧艦 サンノゼ 佐世保 2 17 2 22
  サンノゼ 佐世保 2 27 3 1
  コンコード 佐世保 3 4 3 7
  コンコード ホワイトビーチ 3 9 3 9
  サンノゼ ホワイトビーチ 3 11 3 14
  コンコード 佐世保 3 12 3 15
  サンノゼ 那覇軍港 3 15 3 15
  コンコード 佐世保 3 20 3 24
  コンコード 佐世保 4 6    
弾薬補給艦 フリント 佐世保 2 17 2 21
  シャスタ 佐世保 2 28 3 2
  シャスタ 沖縄・天願 3 9 3 10
  シャスタ 佐世保 3 12 3 17
  フリント 沖縄・天願 3 20 3 21
  フリント 佐世保 3 25 3 29
  フリント 沖縄・天願 4 4    
事前集積艦 ハリー・マーティン ホワイトビーチ 2 13 2 29
  ポメロイ 佐世保 3 10 3 21
  ジャック・ラマス 沖縄・天願 3 31 4 2
  アレックス・ボニーマン ホワイトビーチ 3 31    
貨物輸送艦 ケープ・ヤコブ 沖縄・天願 2 14 2 27
高速輸送艦 WPエクスプレス レッドビーチ 2 17 2 17
  WPエクスプレス 横浜ノースドック 2 18 2 18
  WPエクスプレス 釧路 2 19 2 19
  WPエクスプレス 横浜ノースドック 2 21 2 22
  WPエクスプレス 岩国 2 23 2 23
  WPエクスプレス レッドビーチ 3 15 3 15
  WPエクスプレス 横浜ノースドック 3 16 3 17
  WPエクスプレス 釧路 3 18 3 18
  WPエクスプレス 横浜ノースドック 3 19 3 25
  WPエクスプレス レッドビーチ 3 26 3 26
  WPエクスプレス 那覇軍港 4 3    
車両運搬船 リオ・ネバド 岩国 2 13 2 13
  リオ・ネバド 横浜ノースドック 2 17 2 17

 約2ヶ月間のリストだが、随分長大なものになった。
 掲載したすべての補給・輸送艦がエセックスESG(遠征攻撃群)とニミッツCSG(空母打撃群)の補給あるいは韓国で行われた米韓合同訓練=KR/FEに関係したものとは断定できない。
だが、昨年同時期の動きから比べてみると格段に大規模な運用であったことは判断できる。

 韓国からの部隊撤退や在日米軍の移転・再編計画を先取りする「戦力再投入(RSOI)」訓練が行われたのだろう。あたかも冷戦終結前後の欧州で行われた戦力再投入訓練「フォース・リターン・トゥー・ジャーマン」を想起させるようだ。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


天願桟橋に停泊中の事前集積艦ジャック・ラマス(08.3.31 撮影)


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