１， 強襲揚陸艦アメリカが11月15日に佐世保を出港した後、海兵航空隊岩国基地に初めて寄港し、18日から22日まで停泊した。沖合移転した滑走路に併設して建設された岸壁 にはこれまでオスプレイを搬入するため大型の貨物船や喫水が浅い高速輸送艦が接岸することはあったが、大型の作戦・戦闘艦が入港することはなかったようだ。 海兵隊の新しい作戦ドクトリンと関係した動きとも考えられる。アメリカは岩国を出港した後、24日には佐世保に戻ってきた。

２， 米海軍のドック型揚陸艦ラシュモア（Rushmore　LSD-47）が11月17日朝、米海軍佐世保基地に交代配備のため到着した。ラシュモアは同型の「前任」だったジャーマンタ ウン（Germantown　LSD-42）に代わって、組織上は今年10月から佐世保基地に所属していた。しかし、10月には米本土で舵の修理作業を受けるなどのため、佐世保到着が遅れていた。
ラシュモアは佐世保に入港する直前の11月14日、横須賀港に短時間停泊していたが、交代に伴う第7艦隊司令官への「報告」だったのだろう。

３， このところ、駆逐艦の寄港が目立って多くなっている。11月だけで3隻が入港したが、いずれも南シナ海や東シナ海、台湾海峡など中国大陸沿岸の走り回っていたようだ。
11月30日に寄港したミリウスは横須賀基地に配備されているが、横須賀出港後の10月19日から23日と11月中旬には日本の海上自衛隊の護衛艦と共に南シナ海で共同訓練を行っていた。
ミリウスはその後、台湾海峡を通過していた。

４， 日本周辺海域で11月21日から30日にかけて日本、米国、オーストラリア、カナダ、ドイツの艦船が参加する合同訓練が行われたが、その洋上補給にあたる貨物弾薬補給艦 のワシントン・チェンバーズとカール・ブラッシャー、燃料補給艦のラパハノックが佐世保に寄港した。

５， グアムに配備されている潜水艦母艦フランク・ケーブルが2016年以来5年ぶりに寄港した。フランク・ケーブルは佐世保に入港する前、横浜港ノース・ドック、広島県の 海上自衛隊呉基地に寄港していた。潜水艦母艦としては昨年2月に寄港した同型のエモリー・S・ランド以来。このところ佐世保への原潜寄港は途絶えているが、周辺海域では相変わらず 原潜が作戦展開しているようで、その支援のためにグアムから展開してきたのだろう。

2021-12-4|HOME|