イラク攻撃と佐世保基地、燃料の動きから炙り出した関係



 米国のイラク攻撃では米海軍佐世保基地の燃料が相当量使用された。
米海軍佐世保基地には3箇所(赤崎、庵崎、横瀬)の地下式燃料貯蔵所があり、総計84万キロリットルが貯蔵できるという。
 昨年7月ごろから始まった燃料関係の動きは8月に原子力空母「エイブラハム・リンカーン」の入港や横須賀配備の空母「キティ・ホーク」のペルシャ湾出撃などもあって、11月までは空母艦隊に随伴している洋上補給艦(給油艦)や日本と韓国の米軍基地に燃料を輸送する小型タンカーによる搬出の動きが目立った。

 しかし12月になると一方で大型の民間タンカー(3〜5万トン級)による燃料の運び込み(備蓄)が頻繁に行なわれた。タンカーはMSC(米海軍軍事海上輸送司令部)が保有する戦略輸送船だけでなく、臨時にチャーターした民間タンカーが相次いで投入された。
 結局7月以降12月までに運び込まれた燃料の総量は40万キロリットル近くに上ったものと思われる。
 この事前備蓄は、空母艦隊の動きを支えるために相当量が運び出されたが、イラク攻撃が始まる直前の今年3月になると相次いで大型タンカーによりインド洋の補給拠点ディエゴ・ガルシアへ向けた大量の燃料輸送が始まった。
 結局、3月と以降5月までの間に7隻が推定25万キロリットル以上の燃料をイラク攻撃のために運び出したものと思われる。

 4月末からは備蓄の補充かあるいは「次の戦争」に備えてのためか、大型タンカーによる燃料の運び込み(備蓄)が急速に進められている。(RIMPEACE編集部調べ)






'2003-5-25|HOME|