規律回復訓練? 佐世保港で
米海軍の原潜と漁業実習船の衝突事故は、米海軍の規律とモラルの低下が引き起こしたものであることが次第に明らかになってきた。
昨年12月の入港情報のコメントでも指摘していた問題だが、残念なことに最悪の事件となって米海軍の現状の深刻さが証明された。
しかし問題は規律の低下が原潜だけではないことだ。
そのことを自覚したのだろうか、米海軍佐世保基地に配備されている揚陸艦が突然、佐世保港内外で訓練を始めた。
3月5日午後、ドック型揚陸艦ジャーマンタウン、輸送揚陸艦ジュノー、汎用型強襲揚陸艦エセックスが相次いで岸壁を離れ、訓練(トレーニング)と思われる作業を始めた。
直前の2日(金曜日)に高級将校を運んできたと思われるヘリコプター2機が佐世保基地内で確認されたが、その直後に3隻の揚陸艦の出港が決まったようだ。1隻残ったドック型揚陸艦フォートマッケンリーは定期修理で動けないため、事実上すべての配備揚陸艦が訓練に引っ張り出されたことになる。
今度の事件(と米海軍はホームページで言っている。)で受けた衝撃の強さが見えてくる。

訓練中の揚陸艦。写真奥はジャーマンタウン、手前はジュノー
− 訓練場所は民間船の航路帯 −
ところが問題なのはその訓練(トレーニング)場所である。
ジャーマンタウンが停泊している場所は米海軍の制限水域で、通常弾薬など危険物荷役に使っている39番錨地だが、ジュノーが停泊し、上陸用舟艇(LCU)をウエルドックに収容しようとしている場所は、何と民間船の入港航路帯に隣接している。
実際、収容作業中に入港してきた民間旅客船は、航路帯付近に停泊しているジュノーを避けながら出港する他の旅客船に気を遣わなければならない状況となっていた。
何のことはない。規律回復のための訓練が、民間船に危険とまではいえないものの、その運行を阻害する原因になっているのだ。
このような小さいことだが、安全に配慮するといった規律あるいは他の船舶に気を配るといったモラルの低下こそが大きな事故につながるものであることは、ハワイ・パールハーバー沖の事件が端的に示している。
まず、ただちに一切の艦船の運用を停止し、規律回復が確認されるまでは入・出港を控えるべきだろう。

5日、佐世保港で。民間航路帯のジュノー
2001-3-10|HOME|