アメリカ合衆国大統領 


  ジョージ・W・ブッシュ 閣下

抗 議 文


昨日4月2日、午前10時40分頃、米原子力潜水艦「シカゴ」が佐世保港に寄港、同日、11時5分頃出港した。

 我が国への原潜寄港については、1964年8月28日の「米合衆国政府の声明」において、「24時間前に場所や日時などを日本政府に通報する」となっている。

 しかし、これまでこの慣例が幾度となく無視をされ、原潜が24時間以内に佐世保港に寄港をし、1997年7月2日には原潜「ポーツマス」が無通告で佐世保港を出港するという事態も発生した。

 そして今日、日米両政府が推進している周辺事態法や有事法制化の動きの中での、今回の原潜「シカゴ」の寄港は、寄港そのものの通報がなされないという前例のない極めて危険な、我が国の主権を踏みにじる無通報寄港である。

 私たちがかねてより指摘してきた「通報なしで自由に出入りするための地ならし」であり、断じて看過することができない。

2月9日(日本時間2月10日、午前8時45五分頃)、米ハワイ・オアフ島沖で米原子力潜水艦「グリーンビル」と愛媛県立宇和島水産高校の実習生ら35人が乗った実習船「えひめ丸」との衝突事件の真相も明らかにならない今、今回のような原子力潜水艦の無通報の寄港に心からの憤りを覚えるものである。

私たちは、こうした状況を踏まえ、本日4月3日、佐世保港湾管理者である佐世保市長に対し、原潜「シカゴ」の無通報寄港の原因について、徹底的に調査するとともにその責任を明確にし、真相解明がなされない限り佐世保港への米原潜の寄港を認めないよう日米両政府に申し入れるよう要請を行ったところである。

今回の原子力潜水艦「シカゴ」の無通報寄港、並びに相次ぐ米艦船の寄港は、平和を希求する市民の願いとは相容れないものである。断じて容認されるものではないことを抗議するとともに、1964年8月28日の「貴国政府の声明」について順守することの確約と協定の締結を強く求める。

2001年4月3日


 佐世保地区労働組合会議

                  議 長 原 正已