佐世保港で原潜に魚雷積込か
バージに挟まれて停泊する原潜トピカ(11月18日撮影)
11月18日、佐世保港に停泊中の原潜「トピカ」に魚雷と思われる物体
が積み込まれた。
原潜「トピカ」は同月15日に入港し、赤崎1号岸壁に接岸していたが、
18日午前10時から「運用上の理由」で港中央部にある1号ブイに移動し
た。
1号ブイでは発電機を積んだバージ(台船)に横付けし、更に前畑弾薬庫
から曳航されてきた弾薬輸送用のバージにはさまれる格好で停泊した。
弾薬輸送用のバージには大型のトラッククレーンのほかに半円形の台座を
持ったラックの上に乗せられた円筒形のコンテナ(長さ約5メートル、直系
約70センチ)が確認された。
10時半前、原潜のセール(司令塔)前にあるハッチが開けられ、クレー
ンで持ち上げられたコンテナが斜め方向に原潜の艦内に運び込まれた。
作業は数回(合計4回程度)行われたが、この間、クレーンの旋回範囲を
示す赤旗はあったが、危険物荷役を示す赤旗は掲げられていなかった。
12時前にはすべての作業が終了し、輸送バージは前畑弾薬庫に、原潜は
赤崎岸壁に戻った。
原潜に運び込まれたコンテナは従来から前畑弾薬庫に保管されていたもの
ではなく、16日入港した弾薬補給艦「キラウエア」から39番錨地で降ろ
され、バージに積み込まれていたものである。
この一連の作業経過から、コンテナの中身は弾頭をはずした模擬魚雷ある
いは訓練用の魚雷ではないかと判断した。
原潜への魚雷積込が指摘された翌19日、米海軍佐世保基地は「魚雷では
ない。プラスチックの物体だ。」と発表した。コンテナ容器を原潜に積み込
んだことを認めたものだが、問題は容器の中身である。
佐世保港ではこの数年、原潜の修理が行われたりミサイル発射装置(VL
S)のハッチが開けられるなど、より実戦的な運用が顕在化していた。今回
の作業は原潜への兵器の積込を想定した訓練と思われ、原潜への補給能力を
高めるための実験と思われる。
背景には、西太平洋の補給センター・グアムの閉鎖や洋上戦闘艦や原潜の
集中配備で過密化したハワイ・パールハーバーやカリフォルニア・サンディ
エゴの問題がある。
|HOME|
MISAWA |
ATSUGI |
IWAKUNI|
SASEBO |
OKINAWA |
SEA|
AIR |
SONOTA|