<弾薬輸送を検証する>

調査団体:リムピース、ピースリンク呉・広島・岩国、佐世保軍事問題研究会

1月15日、佐世保基地針尾弾薬集積所入り口で撮影


  2月3日から大分県・日出生台で行われる沖縄駐留海兵隊の155ミリ砲実弾射撃訓練に
  関連する砲弾などの輸送が1月31日、6台のトラックで行われた。
 この輸送は昨年も行われていたが、今年は日出生台への輸送のためというよりも、弾薬など
  の日本国内での輸送を「民間協力(契約)」で行うことに主眼をおいた実験であったと思わ
  れた。周辺事態法施行を受けて、民間輸送力の問題を検証するための実験であったものと思われる。
 以下、その実態をレポートします。

複 数 の 弾 薬 輸 送 ル ー ト → → → 佐 世 保 へ       
 今年の特徴は、大量輸送に適した船舶による海上からの輸送と合わせ、比較的少量だが融通性
  のある陸上輸送を組み合わせたこと。
 しかも、海上輸送はMSC(海上軍事輸送司令部)の船舶を使いながら、陸上輸送は民間会社
(合計9社)のトラックを使用したこと。
 以下、輸送ルート別に整理してみる。

1999年の輸送
1 海・陸輸送ルート
 貨物の種類  主として155ミリ榴弾。一部信号用弾薬などその他の爆発物
 輸送ルート  海上 沖縄・天願−佐世保・針尾弾薬集積所(弾薬補給艦)
        陸上 佐世保−大分県日出生台演習場(民間トラック)
 輸送日    海上 1月16〜20日
        陸上 1月28日

2000年の輸送
1 海・陸輸送ルート
 貨物の種類  主として155ミリ榴弾。一部信号用弾薬などその他の爆発物
 輸送ルート
    海上  ハワイ・ヒロ弾薬庫−MSC貨物船(アメリカン・マーリン)−
       −広島県・呉港−(トラック)−広島県・広弾薬庫(一時保管)
    陸上 広島県・広弾薬庫−(民間トラック42台)長崎県・佐世保針尾弾薬
       集積所(一時保管)−民間トラック6台−大分県・日出生台演習場
 輸送期間   陸上は1月11日〜20日まで(正味7日間)

2 海上輸送ルート
 貨物の種類  主として戦闘艦用の砲弾と短距離ミサイル弾及び航空機用の爆弾
 輸送期間   1月22日〜24日まで(正味2日間)
 輸送ルート  横須賀・浦郷弾薬庫(20日出港)−MSC弾薬補給艦キラウエア
       −佐世保・針尾弾薬集積所と前畑弾薬庫−(戦闘補給艦 ブリッジ)
       −ペルシャ湾(イラク監視作戦?)
 戦闘補給艦ブリッジは原子力空母ジョン・C・ステニスの随伴補給艦

3 陸上輸送ルートA
 貨物の種類  主として航空機用の機銃弾及びミサイル?
 輸送期間   1月24日〜25日まで(正味2日間)
 輸送ルート  広島県・広弾薬庫−民間トラック−佐世保・前畑弾薬庫

4 陸上輸送ルートB
 貨物の種類  主として航空機用の機銃弾及びミサイル?
 輸送期間   1月27日〜31日到着
 輸送台数   5台
 輸送ルート  青森県・三沢航空基地−民間トラック−佐世保・前畑弾薬庫
                                        

・広島県から佐世保市への輸送業者の契約
  元請(A社)−下請け(B社)−孫請け(C〜I社)
  輸送日(到着日)毎の内訳
   1月11日 B(3台)、C(1台)、D(2台)
     12日 B(1台)、D(1台)、E(2台)、F(1台)、G(1台)
     13日 A(2台)、B(2台)、C(1台)、D(1台)
     14日 B(2台)、D(1台)、F(1台)、(I、J各1台?)
     19日 A(2台)、B(2台)、C(1台)、D(1台)
     20日 B(1台)、D(1台)、E(2台)、F(1台)、H(2台)
       21日 A(2台)、B(2台)、C(1台)、D(1台)

    輸送回数
   A社=6台  B社=13台  C社=4台  D社=8台  E社=4台
   F社=3台  G社=1台   H社=2台  I社=1台  J社=1台

    運送会社  A=日本通運  B=大豊運輸  C=富士運輸  D=松原運送
          E=広島高速  F=江能運輸  G=岸運送   H=木村運送
          (いずれも広島県の運送業者)

・青森県から佐世保市への輸送業者の契約
 輸送契約業者=国際運輸(佐世保市)
  同社はCFAS(米海軍佐世保基地)が契約している会社。契約の範囲はCFASの任務範囲。
    今回は特例かあるいは下請け契約か。


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