「木更津基地にオスプレイ修理拠点」 防衛省説明の問題点−1

木更津基地場周経路が低い

普天間基地の海兵隊オスプレイのオーバーホールを陸自木更津基地で行うことを国が決めて、11月5日に木更津市と千葉県に説明資料「木更津駐屯地における日米オスプレイの共通整備基盤について」(以下、説明資料と略す)を持ってきた。
この資料を見る限り、なぜ木更津基地を選択したのか、納得のいく説明になっていない。それどころか、この計画では木更津市民など基地周辺住民が危ない思いをすることは避けられない。


国から木更津市に提供された、場周経路が入った図

防衛省が以前に木更津市に提供した「木更津駐屯地の場周経路(概略図)」がある。11月5日の説明資料にも、線の太さが反対だが、オスプレイの飛行経路を示す固定翼機の場周経路が この図と同様に示されている。この場周経路図をにらんでいると、不思議なことに気付く。

西側(海側)の場周経路と東側(陸側)の場周経路の高度が異なっている。オスプレイが試験飛行をする時に飛ぶ西側の経路は高度900フィート、東側でも1400フィートとなっている。通常、固定翼機の場周経路の高度は1500フィートだ。それが海側の経路で6割に抑えられている。これが木更津基地が背負う制限であり、そこでオスプレイの試験飛行を行うことの危険性の源だ。

木更津基地の上空は、羽田空港に着陸する大型民間機が降下してくる経路になっている。
そのコースの真下にあるために、木更津基地の場周経路は高度が低く抑えられているのだ。

他の基地に比べて低い場周経路を持つ基地で、オスプレイが試験飛行を繰り返せば、どんなことになるか、エンジン停止の緊急事態が起きた場合と、通常の試験飛行の際の危険性について次稿で述べる。

(RIMPEACE編集部) 


羽田空港周辺の特別管制区。数字は上限と下限の高度をフィートでしめしたもの。北向きの並行滑走路34L,34Rに降りるスロープが木更津基地の真上を通っている。
赤のラインは木更津基地の西側固定翼機場周経路。青のラインは東側の経路。経路の高度が特別管制区の下限より下に設定されているのがわかる。(AIPの図を使用)


2012-11-12|HOME|