艦載機の岩国移転と艦載機の訓練空域(1)

岩国臨時留保空域(ITRA)


ITRA(Iwakuni TRaining Area)として設定された2つの空域。日本海側に新設、太平洋側は既存の空域の拡大

すでに発表されていた艦載機の厚木から岩国への移転について、2017年1月、山口県知事と岩国市長が中四国防衛局に質問を投げた。空母艦載機の岩国基地への移駐について(照会)という 文書の中で、両者は『空母艦載機の訓練空域として「岩国臨時留保空域」が設定されたが、当該訓練空域までの飛行ルートやそこでの訓練内容をしめすこと』を求めている。

中四国防衛局は回答文書の中で「訓練空域の設定について日米間で調整を行ってきた結果、岩国臨時留保空域を設定し、平成28年11月10日より利用可能となっていると承知しています」 と述べている。

この「岩国臨時留保空域」が、上図に示されている。
艦載機の飛行先を推定した私たちの資料では、岩国移駐した艦載機は、この2つの臨時留保空域に高頻度で飛行し、特にITRA−Sと名付けられた太平洋側の空域への飛行が多い。
そして艦載機が空母に載る前に実際に空母の甲板でタッチアンドゴーを繰り返すCQ(Carrier Qualification)を行う海域もITRA−S空域の下に広がっている。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)


2018-10-14|HOME|