岩国臨時留保空域−南(ITRA−S)への飛行ルート
岩国基地からITRA−S(Iwakuni TRaining Area South)空域への飛行ルート(赤い矢印)
岩国基地に移駐した空母艦載機の主要な訓練空域が、四国の南の海上に広がる岩国臨時留保空域−南(ITRA−S)だ。
この海域には、これまでもR−104と名付けられた凸型の空域があって、米軍機(主に岩国の海兵隊機)が使用していた。
在日アメリカ合衆国軍海上訓練区域一覧表(水路通報30年33号別冊 海上保安庁)によると、リマ区域(九州東岸、日向灘東方)として、区域の指定や訓練時間とともに
訓練の種類
各種艦砲の水平及び対空射撃訓練並びに航空機の空対空及び空対水射撃訓練を行う。この訓練には、各種の海軍及び空軍訓練用兵器を使用し、最大射程は 36,576mとし、射高は無制限とする。
制限事項
本区域は、常時危険区域である。船舶が本区域に立ち入る場合は、すべて自らの危険負担においてこれをなすべきである。使用期間中漁業を禁止する。ただし、土曜日に訓練の予定がないときは、
漁業は差し支えない。
と空域内の訓練の内容などが示されている。(上図の青い線で囲った部分)
また、自衛隊航空機の高高度訓練/試験空域としてL空域があり(黄色い線で囲った部分)、この空域も米軍機が訓練のために使っていたとみられる。
今回「臨時留保」されたITRA−S空域(オレンジ色のラインで囲まれた空域)は、この2つを合わせたよりもはるかに広大な空域だ。
厚木から大挙移動してきた艦載機の訓練のためには、このくらい広大な空域が必要だった。そして、この広大な空域で「各種艦砲の水平及び対空射撃訓練並びに航空機の空対空及び空対水射撃訓練」
が行われているのだ。
(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)
2018-10-18|HOME|