海兵隊の低空飛行訓練停止は一時的なもの
既に訓練を再開−−在日米軍の回答より
5月5日の岩国基地開放日に、RCCテレビや読売新聞、中国新聞の記者が、パイロッ
トから「低空飛行訓練は中止になっている」というコメントを引き出した。6日夜のテレ
ビ放映や、7日の紙面で報じられたパイロットのコメントの内容は「低空飛行訓練は2ヵ
月ぐらい前から日本では行わなくなった。韓国でやっている」「2月か3月に中止になっ
た。多分永久的な措置」(西部読売)、「ブラウンルート上空は飛ぶが、低空飛行はして
いない」(代わりに)「朝鮮半島や太平洋上の空域で行っている」(中国新聞)。
この件について、メディア各社が在日米軍に対して質問したのに対し、一部のメディア
に5月8日付けで、表記の回答があった。イタリアの事故の後、海兵隊機の低空飛行を一
時中止していたが再開した、という内容だ。上記のパイロットのコメントが真面目になさ
れたとすれば、低空飛行訓練再開という海兵隊のトップの方針が、末端のパイロットに全
く浸透していないことになる。イタリアの事故について、事故機のパイロットたちの追求
と同時に、高度制限についてきちんと伝えていなかった管理将校たちの責任が問われるべ
きだ、と事故報告書にあったが、この舌の根も乾かぬうちに、またこのていたらくである
。海兵隊に限らず、軍隊とはそういう傾向を持つものなのだろうか。
5月8日付けの在日米軍の回答は以下の通り。
メディアの質問に対する回答
在日米軍
リリースナンバー 98−05−03
1998年5月8日
日本における低空飛行訓練について
報道機関からの質問に答えて、在日米軍は、最近の低空飛行訓練の一時的な縮小につい
て以下のことを声明する。
横田基地発−−在日米軍のパイロットたちは、日本での低空飛行訓練を続ける。
海兵隊総司令官の命令で今年の始め、海兵隊機の低空飛行訓練が一時的に停止された。
低空飛行訓練の停止は、イタリアの事故の後、全世界に展開する海兵隊に対して命令され
た。現在は、海兵隊のパイロットたちは低空飛行訓練を再開している。この一時的な訓練
停止は、海兵隊だけの措置だ。
日本に駐留している米海軍機の大部分は、この数週間(別の所に)展開しているので、
日本では飛行していない。
沖縄と本州北部の米空軍基地では、基地周辺で通常通りの訓練を行っている。
以 上
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