米海兵隊ゴンドラ墜落事故調査委員会の報告の結論
〔ロイター、98年3月12日配信〕
- 2月3日の事故は「事故機の乗組員のエラー」で引き起こされた。
- イタリア当局によって設定されていたこの地域の最低高度は2000フィートだったが、事故機の乗組員は、地上から1000フィート(300メートル)の高度で飛行するように言われていた。にもかかわらず、乗組員は6つの飛行区間のうち、少なくとも2つの区間で1000フィートより低く飛んだ。
- アビアノ基地には、最低高度制限が2000フィートであることを明示した複数の書類がある。それにもかかわらず、事故機の属している飛行隊のメンバー18人のうち15人が、最低高度は1000フィートだと考えていた。
- 事故機がケーブルを切断したのは地上から364〜370フィートの高さだ。
- ケーブルカーは、乗組員が使っていた地図に記載されていた。
- 事故機の速度は、少なくとも2つの飛行区間で、定められた最高速度より時速100ノットオーバーだった。
- 飛行隊の管理体制や訓練体制にエラーがあった。その中には、全ての情報を全メンバーに伝えていなかったことも含まれる。
- 機体の整備状況は完全だった。事故の直後に乗組員のうちの一人から高度計が狂っていたとのアピールがあったが、高度計は正常に作動していた。
- 乗組員は定められた飛行経路を概ね忠実にたどった。10ノーティカルマイル(海里)
の幅の飛行経路外には出なかった。
- 気象条件は良かった。乗組員は健康状態のチェックをパスしていた。また、今回の飛行任務を行う資格を持っていた。
以上の結論をもとに、事故調査委員会は以下の勧告を行う。
- 乗組員に対して、懲罰と行政処分がなされるべきだ。
- 乗組員に情報を伝えられなかったことに対して、司令官と作戦担当将校には行政処分がなされるべきだ。
- 乗組員に情報を伝えられなかったことに直接関与する安全担当将校、安全飛行担当将校、その他訓練担当将校には行政処分がなされるべきだ。
- 飛行任務の安全性を高めるために、全ての飛行隊は「任務遂行の標準的な手順」を備えるべきだ。
- 安全性の改善の観点から、事故報告書はNATOのオフィスに届けられるべきだ。
- 飛行経路が正確にプロット出来るように、地図に記載されているものは、再検証されるべきだ。
- NATOの作戦支援のために派遣されている海兵隊部隊支援のために、新たな指揮系統を作るべきだ。
また、死亡補償や損害賠償については、すべて1951年のNATOの地位協定に従って処理されるべきだ、と報告書は述べている。
これは、アメリカが75%を負担しイタリアが25%を負担することを意味する。
イタリア国防省によれば、損害賠償とは別に、犠牲者の家族に犠牲者一人当たり1億リラ(5万6千ドル)が共同責任として支払われる。
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'98-3-13/'99-2-21