ミサイル追跡艦、室蘭に入港

ミサイル追跡艦オブザベーション・アイランドが29日に突然室蘭港に入港した。現地からの情報によれば、通告は27日で、乗組員の身内に不幸が発生したので下船させるため、そして物資の補給が寄港目的だとか。
29日付けの室蘭民報によれば、着岸後すぐに野菜などの食料が積み込まれたという。出港予定は翌30日というから、確かにあわただしい寄港で、急に決まった入港の可能性がある。ただし、室蘭を選んだところは、今後のミサイル・ディフェンスの任務のために、入港実績を重ねておきたいという意図が無かったとも思えないが。

やはり現地の情報によれば、室蘭に入港する前に寄港したのはシンガポールとのこと。
オブザベーション・アイランドは1月24日に佐世保を出た後、われわれの視界から消えていた。
シンガポールから来たということは、その前にインド洋に居た可能性が強い。

2月25日にイランが「宇宙ロケット発射実験」を行っている。その兆候を察知したアメリカが、佐世保からイランの近海にミサイル追跡艦を回航したと考えれば、つじつまが合う。
3月14、15日に嘉手納にトランジットで滞在していた、ミサイル監視専門の偵察機RC135Sも、ディエゴガルシアに向かったと見るよりは、やはりイランの発射実験をモニターしたあと、本国に戻る途中で嘉手納に寄ったと考えたほうがよさそうだ。

オブザベーション・アイランドは、監視結果の解析と長期の任務航海のあとの休養のために、太平洋艦隊司令部のあるハワイに向けてシンガポールから航行中だったのではないだろうか。
この船がしばらく佐世保や横浜に現れなければ、オブザベーション・アイランドやRC135Sの動きについての上記の見方が正しい可能性が強くなるだろう。

(RIMPEACE編集部)


昨年12月末に横浜ノースドックに短期間入港していたオブザベーション・アイランド(白い船)


'2007-3-29|HOME|