哨戒偵察部隊司令部、上瀬谷から三沢へ


P3C対潜哨戒機やEP3電子偵察機を擁して、第7艦隊や第5艦隊の責任海域の哨戒や偵察任務を持つ米海軍部隊の司令部が、上瀬谷基地から三沢基地に移ることになった。大多数の司令部要員の移動は10月になるという。
米海軍は、作戦上の指揮系統と管理上の指揮系統を二重に持っている。Task Force 72(第7艦隊の哨戒・偵察部隊)、Task Force 57(第5艦隊の哨戒・偵察部隊)はそれぞれの艦隊司令官の作戦指揮命令を受ける。第一哨戒偵察航空団は、上記のTask Force に交代で配備されるP3C飛行隊やEP3の訓練や作戦能力の維持に責任を持つ。今度三沢に移るTask Force 72と第一哨戒偵察航空団の司令部は、対象の航空機が重なるから、同一人物が司令官を兼ねていても問題はないというわけだ。
配下に入るP3C部隊は、ハワイなどから三沢とディエゴガルシアに6ヵ月交代で配備される。嘉手納には三沢から分遣隊が派遣される。
今回の司令部移動にともなう機体の移動が無いのは当たり前と言えば当たり前だが、司令部機能と切っても切れない通信機能はどうなるのだろうか。三沢に上瀬谷のような広大な土地を占有する受信施設と、深谷送信所に匹敵するような送信施設を作るのだろうか。衛星を利用する通信施設の整備などで、広大な土地と大アンテナが不要になったというのならば、米軍がこれまで上瀬谷基地や深谷送信所が不可欠だと言って返還を渋ってきたのは、ゴマカシだったことになる。
いずれにせよ、三沢基地の通信機能の強化がどのようになされるのか(もしくは、秘密裏に済んでしまっているのか)は大きな問題だろう。三沢市長さん、青森県知事さん、基地機能の強化は機数の増大だけではないことは十分ご承知のこととは思いますが...。


三沢基地に配備されているP3C(左)とEP3(右)(いずれも一昨年撮影)



嘉手納基地に並ぶP3C(左)と、嘉手納から偵察に向かうEP3(右)(本年8月撮影)



(RIMPEACE編集部、写真も)

'2003-9-21|HOME|