キティーホーク航跡推定図(04年3月18日〜4月1日)
空母はフォールイーグル演習中、日本海にいた

3月23日にアップした航跡推定図の中で、キティーホークは、「20日に厚木から艦載機を回収した後、南に向かったと見られる。米軍の広報資料によれば、22日現在南シナ海に居るとのことだ。」と書いた。この米軍の広報資料 "Status of the Navy"の記述に疑問が出てきた。

"Status of the Navy"によれば、空母キティーホークは、3月19日(米東部時間)には日本海にいたが、 3月22日から29日は南シナ海、30日から東シナ海、そして4月1日からは太平洋にいることになっている。
この発表に疑問が持たれるのは、キティーホークと陸上基地の連絡輸送を担当する2機のC2が、20日から30日までの間、厚木基地で目撃されているからだ。しかも、その期間中、空母との連絡業務のために厚木基地から飛行している。

仮に、本当に空母がこの期間、南シナ海にいたとする。厚木と南シナ海の入り口・バシー海峡との直線距離は約2500キロ。C2の航続距離は1000キロ強だから、とても無着陸で飛べる距離ではない。と言って、途中の嘉手納にC2がこの期間に飛来した形跡もない。そもそも、こんな長い距離を陸上との連絡業務にC2を飛ばすことはしない。南シナ海に空母がいれば、連絡機は少なくとも嘉手納を拠点とする。嘉手納でも遠過ぎれば、マニラなど近くの空港使用を考えるだろう。C2が厚木から連絡業務を行っていたとすれば、空母は南シナ海に居たとは考えられない。

空母が3月18日ころプサンを出て日本海に入り、そこでフォールイーグル演習が行われたとすれば、空母もこの演習に何らかの形でかかわっていた可能性が強い。またC2は厚木から南には行かず、西に飛んでいた。空母が洋上に居て、この飛び方をC2がするときは、空母は日本海にいる場合が多い。
演習が終了した直後から、佐世保に空母の随伴艦と見られるイージス艦が入港をはじめた。駆逐艦オブライエンは横須賀に戻ってきた。フォールイーグルでフルに動き回ったあとの休息のためだと見られる。米軍の広報資料以外は、すべて、空母が日本海にいたことを示唆している。

米軍が、わざと空母の位置をすりかえたのか、それとも広報担当者のミスなのか。原因は不明だが、3月下旬にキティーホークが日本海にいたことは、疑問の余地がないと思われる。

(RIMPEACE編集部)


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