キティーホーク、日本海に入る。海中爆破訓練と連動

空母キティーホークは10月25日に横須賀を出港し、11月上旬に沖縄近海で訓練を行ったあと、日本海に入った。11月11日から22日にかけて行われる日米共同実働演習にも加わるが、米空母機動部隊は日本海からこの合同演習をスタートした。空母の推定航跡は下図の通り。
キティーホークのほかにこの合同演習に参加する米艦艇は、第7艦隊ニュースによれば次の通り。
駆逐艦ジョンSマケイン、カーティスウィルバー、オブライエン、ポールFフォスター、フリゲート艦ギャリー、給油艦ラパハナック、音響測定艦アサーティブ、原潜シカゴ、ルイビル。対潜水艦戦闘に主軸を置く艦隊編成になっている。



ところで、米海軍による海中爆破訓練が隠岐諸島西方海域で11月14日に行われた。17日付けの星条旗新聞によれば「@深海の爆発で生じた音波の衝撃調査A安全規則に沿った部隊の熟達訓練と第7艦隊司令部報道部長が説明した」とのこと(11.17朝日新聞)

なぜ、カニ漁のさかんな今の時期に、日本政府の「抗議」にも耳を貸さずに爆破訓練を強行したのか。それは、キティーホークを中心とする空母機動部隊がこの海域にいるときでないと意味がなかったからだ。海中に潜む潜水艦を攻撃したときに、どのくらい海中の音が探知不能になるのか、その場合、空母を守る水上艦や原潜はどんな動きをするのか、その訓練のために「潜水艦の航路にあたる」(在日米海軍司令部、15日付け朝日)海域での爆破訓練が必要だった、と考えるのが自然だろう。

駆逐艦、フリゲート艦、原潜はまさに空母を潜水艦の攻撃から守るために機動部隊に加わる船だ。また音響測定艦は、潜水艦の動きをさらに精密に探知するのが専門の船だ。艦隊の編成から見ても空母の航跡から見ても、単なる調査や慣熟のための訓練でないことは明らかだろう。

海中爆破訓練は20日まで鹿児島沖でも予定されている。空母機動部隊の今後の動きや海上自衛隊がこの訓練にどのように関係するかなども、ウォッチする必用がある。


'2002-11-17|HOME|