キティーホークの任務は?

ついにアフガニスタンで地上戦が始まった。特殊部隊がヒットアンドラン方式で数時間アフガンで攻撃を行い、ヘリで洋上に戻るという。その洋上の特殊部隊の根拠地が空母キティーホークなのだそうだ。
この数日、珍しくキティーホークに関する報道が見られた。特殊部隊がキティーホークに乗艦した(CNN)。地上攻撃の特殊部隊の根拠地がキティーホークであることは、米国のメディアが一斉につたえたという。
どの報道も匿名の米高官の話としていて、米軍が公式に認めたものではない。空母エンタープライズやカールビンソンからは艦載機の発着やミサイル搭載の写真まで公開されているのに、同じアラビア海にいると言われるキティーホークの公式情報は皆無に近い。国防長官はバーレーンで記者団に対して、君達がキティーホークに乗艦することはあり得ない、と答えたという(ロサンゼルス・タイムズ)。
同じ空母取材に対して、この違いは何を意味するのだろう。特殊部隊の行動や人数を秘密にしたいというのは、軍事的な観点からいえば特別なことではない。ただし、特殊部隊やヘリの根拠地としてだけなら、エセックスなどのいわゆるヘリ空母の方がノウハウを持っているだろうし、空母を動かすよりもはるかにコストもかからない。艦載機を降ろして戦場に行くというキティーホークの任務については、これまで納得がいく公式な説明は無いに等しい。
特殊部隊に係わる、という以外にも、キティーホークの隠された任務があるのではないだろうか。例えばアフガニスタン攻撃の協力国の治安体制に対する不安で、米国人や協力者の臨時避難場所として「4.5エーカーの空母の甲板」が役に立つ、というような。協力国の顔を潰すような想定の任務だからこそ、キティーホークに関する情報だけは固くガードされている、という可能性はないのだろうか。(RIMPEACE編集部)

'2001-10-20|HOME|