空母キティーホークがプサンに入港中、艦載機の一部が飛来したのは厚木基地だけではなかった。プサン入港直前の3月14日、艦載機12機が嘉手納に飛来した。内訳はスーパーホーネット4機、ホーネット6機、早期警戒機2機だ。
空母が短期間のポートコールを行う場合は、艦載機は積んだままにしておくのが通常のやりかただ。ただし、緊急事態が生じたときに、在港中の空母の飛行甲板から艦載機を飛ばすことは、無理スジに近い。したがって何か起こる可能性があると司令官が判断した場合は、艦載機の一部を近くの陸上基地に移動させることがあり得る。
嘉手納に飛来した艦載機は、空母が出港するまで待機していたのではない。8機から10機が連日沖縄近海の訓練空域に出かけていた。艦載機同士の場合もあれば、嘉手納に常駐するF15戦闘機とともに訓練空域に向かった機体もあった。
嘉手納滞在中の艦載機の訓練飛行機数は、延べ70機程度という激しさだった。嘉手納滞在の最終日には、訓練空域から戻ってきたスーパーホーネットが何らかの理由で緊急着陸をした際に、左主脚のタイヤがパンクして予定していた厚木への帰還が出来なくなる事故までおきた。
期間中にスーパーホーネットなど3機が、厚木などから嘉手納に飛来して、嘉手納への艦載機臨時配備は15機になっていた。空母がプサンを出た19日午後、パンクしたスーパーホーネットと「付き添い」のホーネット1機を嘉手納に残し、残る13機が次々に厚木に向けて離陸した。
(RIMPEACE編集部)