横浜ノースドックで、浮き桟橋部品点検中


ノースドック内で移動される、Modular Causeway Systems(MCS) のコンテナ型部品

横浜ノースドックでの保管が2002年8月から始まった、陸軍の Port Opening kit は、大きく2つに分類される。一つはノースドックのバースや「水際」に保管されている揚陸艇やタグなどの舟艇だ。もう一つは、組み立て式の浮き桟橋(MCS)で、普段は1セット3つのコンポーネントをまとめて、40フィートコンテナと同じ大きさにして陸上保管されている。標準コンテナを扱う設備さえあれば、特殊なクレーンなどなくても扱えるところが、Port Opening kit のコンセプトに合致している。港の無いところに、もしくは破壊された港に、貨物船から軍事物資を陸揚げするためには、ありふれた装備を使って出来ることが求められるからだ。

写真上で、クレーン車が持ち上げているのが、コンテナ1個の大きさにまとめられた部品だ。上下に2つに分け、さらに上の部分を2分して、それぞれを下の直方体の部分の側面に接続すれば、コンテナの2倍の床面積が得られる、という寸法だ。それを海に浮かべてつなぎ合わせ、船からコンテナや車両を下ろして、タグが押してビーチに向かう。

接続部分がイノチの装備なので、民間会社に外注する整備契約の中で、2年に1度バラして接続部分に注油をすることになっている。このMCSは、2003年8月に貨物船ゴーファーステートが運び込んだ。当初の予定で、40フィートコンテナ大の133セットが運び込まれることになっていた。これだけの量のMCSのセットを小人数で検査するには、早めにかからないと期限内に全部を検査できない。梅雨空の下でも、連日作業は続けられている。

最近作られた白いテント倉庫が、MCSの保管場所の向こうに見える。この倉庫は、MCSの点検作業のために作られた、という情報もある。この倉庫の中にコンテナ状のセットが運び込まれれば、点検作業用のものであることがはっきりするだろう。

(金子ときお・相模原市議)(写真 6月上旬 編集部撮影)


組み立てられたMCSが接岸する時のビーチ側となる部分は、形が違う


背中合わせに接続された部品。間に直方体の部品をはさんで、2倍の床面積を得る

'2004-6-13|HOME|