東京湾の基地を海から見る(2) 小柴〜横浜


横浜ノースドックの裏側の埠頭に並ぶ陸軍舟艇。背景のミナト・ヨコハマのスカイラインとおよそ不釣合いな軍事備蓄だ


ノースドックと運河を隔てて軍事郵便オフィスがある。観光船やシーバスからは目が届かない施設だ(12.15 撮影)

神奈川平和運動センター主催の「東京湾の米軍基地・自衛隊基地を見る」行動の後半は、横須賀沖から小柴を経て横浜港ノースドックまでのコースだ。12月14日に返還されたばかりの小柴貯油施設関連の係船場と、海をもぐって陸上につながる燃料パイプを視察した。
この付近の海面の一部は、未だ米軍が使うために返還されていない。

南本牧埠頭を過ぎ、シンボルタワーを回りこむ。本牧埠頭と大黒埠頭を左右に見ながら、チャーター船は進む。民間埠頭だが、米軍物資の大部分がコンテナ化されているので、大型クレーンを備えたこれらの埠頭も米軍物資の輸送に使われる。
相模補給廠から米軍のPCBを積み出したり、フォースプロバイダーのコンテナをアフガン戦線に向けて積み出したのも本牧埠頭だ。

横浜港の最も奥にあるノースドックは、米陸軍が管理する基地で、米海軍海上輸送軍の極東司令部も同居している。メインの埠頭が改良工事の最中で、バージが1隻泊っていただけだが、普段見えにくいバースに多くの陸軍舟艇が備蓄されている。
米海軍管轄下の船舶の出入りとは別の、ノースドックの「もう一つの顔」だ。

ノースドックから水路を隔てた反対側に米軍の軍事郵便局がある。"FLEET MAIL CENTER" と書かれている古い建物は、運河を通る船からしか見えない場所に建っている。

普段は陸から見ることが多い米軍基地だが、海からは別の側面が見えてくる。有意義な海上視察行動だった。

(金子ときお・相模原市議)(写真は編集部)


前日に返還された小柴貯油施設に海上からつながるパイプ。海面の一部は、米軍艦船の係留のために未返還だ(12.15 撮影)

'2005-12-16|HOME|