組みあがったタグ、横浜NDで試運転








自在な運動性のテストが始まった Warping Tug。噴出口の向きがいろいろ変えられている
 

組み立てられ海上に下ろされた平タグ(Warping Tug)の試運転が始まった。
5月18日、係留中のバースから1隻だけひきはなされたWT(13番)が、ノースドックのEバース付近で細かな動きを伴う試運転を 行った。

水流を噴出するノズルの向きを変えることで、縦横斜めに自在に動けるこのWTは、ノースドックの野積場に百数十個備蓄されている コンテナ型の函を海上で大きないかだに組むこと、戦車やトラックなどを乗せたいかだを押して海岸まで運ぶこと、の2つの任務を 果たすための特殊なタグだ。

本国から組み立て前の部品の形で搬入されたこのWT4隻が、この4月にほぼ組みあがり、5月には海上に移動した。実際に細かな 動きに対応できるかどうか、試運転が始まったところだ。

陸軍の戦時備蓄としてノースドックに集められている上陸用舟艇セットは、このWTに限らず保守管理は民間業者と契約して行われてい る。しかし、実際に海上で大きないかだにくみ上げる訓練は、陸軍の兵士が行う。

WTが全部稼動できるようになれば、この訓練を横浜港もしくは横須賀港錨地などで行う態勢が整う。軍事物資を揚陸するための船が、 港の中を走り回ることになりかねない。
ノースドックに陸軍上陸用舟艇が備蓄されている限り、東京湾が軍事訓練の海域になる可能性が残る。

(RIMPEACE編集部)(写真は 09.5.18 撮影)


その他の4隻のWTは係留されている。


2009-5-19 |HOME|