APEC期間中、陸自NBC部隊が「災害派遣」




APEC会場の対岸横浜ノースドックに並ぶ陸自NBC対処部隊の車両群。災害派遣だそうな(2010.11.12 撮影)

横浜ノースドックに自衛隊が災害派遣されている。部隊は第一特殊武器防護隊、核・生物・化学(NBC)兵器に対処する部隊だ。

本番の派遣だろうと訓練だろうと、これほど動かない「災害派遣部隊」は見たことが無い。トラックなどの車両を並べただけで、ただ じっとしている。
これでも災害派遣か、という悪口はさておいて、この災害派遣の根拠は何かが大問題だ。
自衛隊法83条(災害派遣)に基づく部隊の派遣だとすれば、同条に定める「天災地変その他の災害」が今ノースドック周辺で起きている ことになる。
APEC開催で過剰な警備がされて住民が大迷惑しているのは確かだが、それが自衛隊の派遣を知事が求める根拠には到底ならない。

それでは防災訓練の一環としての災害派遣訓練なのか?
それなら防災訓練を主催するのはどこの自治体か、自衛隊が、とりわけNBC対処部隊が参加するシナリオはどうなっているかがオープン になっていなければならない。
そもそもAPECの期間中に防災訓練を企画するなんてことがあるわけないだろう。

今ノースドックにいる自衛隊の部隊は大書された「災害派遣」の目的ではなく、闇の警備活動に派遣されているのではないのだろうか。 災害に対処する動きを全くしないのも、警備予備軍の位置づけからだろう。

(RIMPEACE編集部)


11月10日からノースドックに並びだした陸自NBC部隊の車両


10日夕方にはテントも張られた。この拠点は12日には撤去されていた(11.10 撮影)


2010-11-12|HOME|