短かった横須賀でのドック入り。LCU2隻、横浜に戻る


(左)定位置から出てきたLCU2隻(11.6.20)、(右)2日後に2隻のLCUは横須賀に移動(6.22 撮影)

横浜ノースドックで保管中の陸軍上陸用舟艇セットのうち、大型揚陸艇(LCU)2隻が6月22日に横須賀に移動した。
パシフィック・リーチ演習の航走でノースドック・横須賀間を往復したことはあったが、横須賀基地のバースにじっくりと停泊したのは はじめてのことだ。


横須賀基地のドライドックに入るLCU2007(11.6.27 撮影)

しばらく2隻が目刺し状態で3号バースに停泊していたが、6月27日にそのうちの1隻が1号ドライドックに入った。
備蓄中の上陸用舟艇の修理は、これまで民間のドックで行われていた。陸軍と海軍の違いはあるものの、「身内」の基地で点検修理をする のは初めてのことだ。


(左)ドックから出てきたLCU2007(後ろ向き)(7.4)、(右)横須賀から横浜NDに戻ったLCU2007(7.6 撮影)

ところが最初にドック入りしたLCU2007は4日後にドックを出て2号バースに接岸した。水を抜いたり入れたりと大仕事が続くドライ ドックに入って、すぐに出てくる船を初めてみた。
LCU2007は7月6日に1隻でノースドックに戻り、クレーンバージに横付けして停泊した。


(左)替わってドライドックに入渠したLCU2009(7.6)、(右)横須賀から横浜NDに戻ったLCU2009(7.22 撮影)

LCU2007が横浜ノースドックに戻った7月6日、横須賀基地3号バースで待機していたLCU2009が1号ドライドックに入った。
こちらは2週間ほどドック入りしていた。ドックを出て横浜ノースドックに戻ってきたのは7月22日だった。

米陸軍の上陸用舟艇セットを構成するタグや揚陸艇などは、ノースドックで保管中にも定期的に検査・修理を受ける。LCUの場合は 民間の造船所に運び込んで2ヶ月から3ヶ月かけて点検・修理を受けてきた。
横須賀基地のドライドックに入るのは初めてだが、通常の点検・修理にしては入渠期間が短い。特に今回最初に入渠したLCU2007は 4日後に出てきている。5時間行列した後ラーメンをあっという間に食べて席を替わるみたいなものだ。

せいぜい船底についた貝がらをかき落とすくらいの処置で出てきたLCUの目的はなんだったのだろうか。今後、ノースドックに備蓄さ れている舟艇を、経費節約のために横須賀で修理を行う、その前触れだったのだろうか。
ノースドックでは6月はじめに陸上保管のタグや中型揚陸艇(LCM)が一斉に海に浮かべられ、ほぼ6月一杯ノースドックのAバース の裏側に係留されていた。現在は再び陸上の保管場所に戻されているが、6月から7月が備蓄船舶などを一斉に点検する時期だったのかも 知れない。
夏から秋にかけてノースドックで行われている、上陸用舟艇を使った演習パシフィック・リーチの開始前の準備だった可能性もある。

(RIMPEACE編集部)


2011-7-24|HOME|