横浜ノースドックとパシフィック・リーチ演習(3)


貨物船ISE入港時のノースドック。埠頭にはMCSが多数並べられている(2013.3.25 撮影)


コンテナ・ハンドラーがMCSを運び、ISE船上のクレーンが船倉に運ぶ。埠頭のMCSは少なくなっている(3.29 撮影)

ノースドックに多数備蓄されている組み立て式の「いかだ」(Modular Causeway System, MCS)が、初めて大量に移動されることになった。

パナマ船籍の貨物船ISEが3月25日昼にノースドックの先端、Hバースに接岸した。その時までに、多量のMCSがHバースの集積場に集められていた。
27日に各層甲板の床板を吊り上げたISEに、28日からMCSの積み込みが始まった。29日昼までに積み込みはほとんど終わり、貨物船ISEは30日にポハンに向けて出港する予定だ。

港湾施設の無いところに、事前集積艦に積まれた戦車などを揚陸する際に、海上の基地として、陸上に運ぶ「いかだ」として、また簡易桟橋に「変身」するのがMCSだ。これまでほとんどノース ドックの外に出なかったMCSが、極めて実戦的な上陸演習に使われることになった。
ポハンに向かうということは、3月1日から4月30日まで韓国で行われる米艦合同演習フォール・イーグルに使われるということだ。ポハンは韓国東海岸で上陸演習を行う場所だ。

パシフィック・リーチ2013演習は、フォール・イーグル演習に組み込まれたとみられる。ノースドックで備蓄中のMCSを移動させて、フォール・イーグルのハイライトである上陸演習の重大 な任務を分担させるのではないか。

23日に燃料漏れを起こした大型タグとクレーン・バージが,その翌々日までに姿を消した。タグが引っ張ってポハンまで行く、と考えるのが自然だ。ノースドックの岸壁に残るIPDSのコンテナ は、今後どう動くのか。韓国に移動するのか、それとも米艦演習に連動してノースドックでパイプライン設置の訓練を行うのだろうか。
相模補給廠やノースドックに置かれている戦時備蓄の装備が、実戦に即した形で演習に使われることが増えてきた。

(RIMPEACE編集部)


船腹へのMCSの搬入を終えて、ISEの甲板の鉄板を吊り上げている(3.29 撮影)


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